火山災害
2.火山活動のメカニズム

地球の内部は、おおむね3層構造になっていて、ゆで卵に例えられることがあります。一番外側の卵の殻にあたる部分は「地殻」、白身の部分は「マントル」、黄身の部分は「核」と呼ばれます。内部ほど高温で、マントルの上部は数百度以上、下の部分は約1600度以上、核は約4000度を超えます。

海底にある山脈を海嶺、海底の深い谷を海溝と呼びます。海嶺ではマグマがわき出して、次々にプレートと呼ばれる岩板をつくります。
プレートは、何千万年もかけてゆっくり移動し、海溝でマントルに沈み込んでいきます。


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沈み込んだプレートから水などがしみ出し、まわりのマントルの一部が融けてマグマができます。マグマはマントルよりも軽いので、上に上がっていき、地表に噴き出して火山ができます。このため、火山は海溝と平行に列をなして分布します。
火山は日本中にまんべんなく分布しているわけではなく、北海道や東北地方のように火山が多いところと近畿・中国・四国地方のように少ないところがあります。


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次に、火山の主な構造について見ていきましょう。
まず、火口です。
地下に存在する岩石が融けたものをマグマと呼びますが、そのマグマや水蒸気などの噴出によってつくられた窪地を火口又は噴火口と呼びます。


次に、マグマ溜まりです。
マグマが地下で溜まっている場所を「マグマ溜まり」といいます。マグマ溜まりがある場所は、地下数キロから数十キロと考えられています。
次に、火道(かどう)です。
マグマが地下から地表に上昇する通り道のことです。
次に、岩脈です。
岩盤中に板状に入り込んだマグマ又はその固まったものを岩脈-ダイク-と呼びます。岩脈のマグマが地表に達すると割れ目噴火を起こします。
次に、帯水層です。
地下水がたまっている層を言います。地下水が熱せられると、噴気や温泉になります。
最後に、側火山です。
大きな火山の山腹にできた小さな火山を、側火山と呼びます。たとえば、富士山には100近い側火山があります。側火山は山の特定の方向や地域に集中して分布することがあります。この方向に沿う地域では、今後も側火山ができる可能性があります。

火口からマグマや火山灰が急激に噴出する現象が「噴火」です。噴火が起こる場所は山頂火口とは限りません。どこから噴火するかを観測データの分析などから見極める必要があります。
また、1983年(昭和58年)と2000年(平成12年)に始まった三宅島の噴火活動でわかるように、同じ火山でも噴火の度に噴火の期間や噴火の様式が異なります。過去の体験を過信するのは禁物です。気象庁が発表する「噴火警報」や「噴火予報」に注意することが必要です。

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