津波から身を守る-温故知新-
8.樹枝上の婦人

 岩手県船越村(現山田町)近くでは、津波のために山の上に打ち上げられ岩石にぶつかって頭が砕け散った人もいました。また、ある婦人は大木の枝に腹を引き裂かれてしまいました。
 津波による死者は溺死と思われがちですが、それだけではありません。ある碑文には「死者は頭脳を砕き、或いは手を抜き、足を折り名状すべからず」と書かれています。津波の中を流れ漂う材木などと一緒に翻弄されたり、土砂の中に生き埋めとなってしまう場合もあります。

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