津波から身を守る-温故知新-
3.海に近づくのは本当に危険!

明和の大津波はある場所では第3波まで押し寄せたようです。島民の中には、津波の第1波が引いた後、海岸に下りてしまい、せっかく最初の波を生き延びたのに、命を落としてしまった人が大勢いました。第1波で遭難した人の救助や、安否を確認するために海に近づいた人が多かったと想像されますが、好奇心からノコノコと海岸へ下りた人もあったという言い伝えもあるそうです。
 沖縄では約200年後の昭和35年(1960年)5月、チリ地震津波に襲われ、3人が犠牲になりました(日本全体では142人)。この際の人々の行動についての調査によると、 「津波を見に行こうとしたら波が迫ってきたので、慌てて近くの木によじ登って命拾いをした。」「津波を見に自転車で浜へ下りていくと潮が引いていた。そのあと潮が高まっていくのに気づき危険を感じて自転車で逃げたが追いつかれてしまった。」といった報告があります。このときの津波は引き波で始まったからよかったものの、もっと逃げる余裕のない押し波で始まる津波が来襲したとき、海を見に行くという行動は命に直結することになります。

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