津波から身を守る-温故知新-
4.遠くではなく高いところへ逃げよ!

 八重山舞踊の師匠として著名なある人の先祖は、突然の津波に驚き、つないでいた自分の馬のところに矢のように飛んでいき、逃げようとあわててむちを当てました。ところが、馬は円形をえがいてぐるぐる走るだけです。よく見るとしばりつけてあった手綱をほどいていませんでした。あせりながら馬をとび下り、大急ぎで手綱をほどいていたところ、村の後方の低い場所を恐ろしい大波がゴウゴウと音を響かせながら通り過ぎていきました。
 もし馬が順調に走り出していたら、途中の低い所で馬もろとも押し流されてしまったことは間違いなく、あわててしくじって、反対に命拾いした幸運の例でした。この話は津波からの避難で、低い所を通っての避難は危険と言うことを如実に示しています。遠くではなく高いところへの避難を意識する必要があります。

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