2010年(平成22年)2月27日、チリ中部沿岸でマグニチュード8.8の地震が発生しました。その翌日の28日、北海道根室港で津波の第1波を観測し、その後、太平洋沿岸各地に到達しました。岩手県久慈港、高知県須崎港では1.2mの津波を観測しました。
この津波による人的被害はありませんでしたが、宮城県、静岡県では、津波により床上浸水6棟、床下浸水51棟の被害が発生しました。また、宮城県や岩手県、三重県等では、ワカメ、コンブ、ノリ、カキ等養殖施設・水産物等に被害が発生しました。
気象庁は、この地震に対して「大津波」の津波警報を発表しましたが、これは1993年(平成5年)の北海道南西沖地震以来でした。
なお、1960年(昭和35年)に発生したマグニチュード9.5のチリ南部地震の際にも、わが国の太平洋沿岸各地を津波が襲いました。三陸海岸のリアス式海岸では、高さが5mを超えたところもありました。この時の全国の死者・行方不明者は139人、家屋の倒壊や流出、田畑の冠潮、船舶の流失など多大な被害をもたらしました。
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