先に紹介した消火器で消火をする場合のポイントについて、住宅火災の主要な原因の1つである「天ぷら油火災」を例にあげて見てみましょう。
天ぷら油火災では、消火器を放射する距離が近づきすぎると放射薬剤の勢いで油が飛び散る場合もあり、火傷などの危険があります。4~5メートル程度離れたところから放射し、徐々に近づいて下さい。
また、住宅用消火器やエアゾール式簡易消火具も少し離れて放射しても十分に効果があります。
なお、ハロンのエアゾール式簡易消火具については、天ぷら油火災には有効ではないとされています。
強化液消火器は、天ぷら油火災には、特に効果があり、再燃の防止にもなります。
粉末消火器は、冷却効果が少ないので再燃する恐れがあります。消火剤は、すべて放射して下さい。その後、コンロを消した後でも蓋などをして空気の遮断を続けて下さい。消火剤の特性を活かした消火としては、粉末消火器で火勢を抑えて、強化液消火器で深部も完全に消火する方法も考えられ、粉末と強化液といった種類の異なる消火器を用意しておくことが理想的です。
続きを読む