救助
2.倒壊家屋からの救助

地震で家屋が倒壊し、梁等に人が挟まれています。このような場合の救出を考えてみましょう。

収容物の除去や移動をするために必要な資器材は、ハンマー・かなづち、斧、のこぎり、スコップなどが考えられます。

てこを利用して持ち上げる場合は、太さが10センチ角以上の亀裂が入っていない柱、太さが5センチ以上の鉄パイプ、支点となる堅い角材などが必要です。
また、自動車用のジャッキがあれば活用することもできます。
救出活動をする時は、軍手など手袋やヘルメット・帽子などを着用し自分の身を守ることも必要です。

倒壊現場付近では、何時どのような形で火災が発生するかわからないため、消火器や水バケツなどを用意しておきます。また、倒壊建物のガスの元栓や電気のブレーカーを切ることも大切です。

救出の手順を説明します。
挟まれている人に声をかけ、安心感を与えます。
怪我の有無や程度を確認します。
挟まれている人の人数も確認して下さい。
まわりに障害物があるときは、瓦・木片・トタン、ガラスなどの軽量なものから除去して下さい。重いものを取り除く場合は、複数の人で対応し、挟まれている人の安全確保を図りお互いに確認をとりながら行って下さい。取り除いたことで再び崩れないようロープなどで支持・固定するなど注意も必要です。

持ち上げる場合は、てこの原理を利用して、隙間を作り、痛みを和らげるようにします。
てこに使う支点は、角材等の堅く安定感のあるものを使用します。
持ち上げてできた空間が崩れないように角材等で補強します。
隙間があれば、てこの代わりに自動車用ジャッキを使って持ち上げます。

空間ができたら挟まれた人を救出しますが、挟まれた人を無理に引き出そうとせず、様子を見ながら救出して下さい。絶えず声をかけ、けがの状態を確認しながら救出します。

救出するときの注意として、てことして使う角材の太さは、10センチ角以上の亀裂が入っていない柱がいいでしょう。
鉄パイプは、太さ5センチ以上で、長すぎるものは曲がりやすいため2~3メートル程度のものがいいでしょう。
持ち上げる高さは、救出に必要最小限とし、崩れ防止の措置をします。

柱などを切断する場合は、切断部や先端が他に影響しないよう注意する必要があります。

救出しなければならない人が複数いる場合は、人命の危険が切迫している人を優先し、救出作業が容易な人から救出します。
多量な出血により、人命への危険が切迫しているような場合は、救出作業と並行して応急手当も行って下さい。
なお、長時間倒壊家屋の下敷きになった人が、救出後に容体が急変(クラッシュシンドローム)する場合がありますので、医師等による適切な処置が必要です。

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