安否の確認
1.はじめに

地震、火災、洪水、噴火、まさに災害大国といってもいい日本。
災害時に家族が離れ離れになってしまったら、どのようにして互いの安否を確認すればよいでしょうか。
家族が出会うために、あらかじめ避難場所を決めておくことはもちろんですが、事前に決めておいた場所に貼り紙をして伝言を残すのも方法の一つです。
また、電話を使った安否確認の仕組みも構築されています。ここでは、NTTコミュニケーションズがサービス提供しNTT東日本及びNTT西日本が運用している災害用伝言ダイヤル171と災害用ブロードバンド伝言板(web171)およびNTTドコモがサービス提供しているiモード災害用伝言板サービスを中心に学習しましょう。


1968年(昭和43年)に発生した十勝沖地震で本州と北海道を結ぶ伝送路の切断による北海道の情報孤立という最悪の事態を経験して以来、NTTグループ(電電公社-NTT-各NTTグループに分社、以降NTTグル-プと記載)では、災害に強い通信設備ネットワークの構築に取り組み、これまで幾多の災害経験を教訓として対策の実施及びノウハウを蓄積してきました。そして1995年(平成7年)震度7の激震を記録し、あらゆる都市機能を麻痺させ通信網にも甚大な被害を及ぼした阪神・淡路大震災を教訓として、災害用伝言ダイヤルなど新たなシステムを開発してきました。

NTTグループ(当時のNTT)が、災害に強い通信サービスの実現に向けて通信設備機能の強化を図ってきた成果は、阪神・淡路大震災において、基幹ネットワーク、及び通信ビルといったハード部分にほとんど支障がなかったことでも実証されています。

しかしその一方で、新たな教訓を残したことも事実です。阪神・淡路大震災では、安否を確認する問い合わせなどによって、予想をはるかに上回る規模の通話が集中したため、何度電話をかけてもつながりにくい状態が発生しました。このような電話の渋滞現象をふくそうといいます。

地震発生当日には通常ピーク時の50倍、翌日にも20倍のコールが被災地に殺到。ふくそうがおよそ5日間も続き、その間安否確認がなかなかできず、混乱を極めました。

NTTグループ(当時のNTT)はこの大きな代償と引き換えにその教訓を生かし、大規模な災害が発生した際に被災地内やその他の地域の方々の間で声の伝言板の役割を果たすシステム、災害用伝言ダイヤル「171」及び災害用ブロードバンド伝言板(web171)を開発しました。
被災地の方もそのほかの地域の方々も、家族間の安否確認や集合場所の連絡などに、ご利用いただけるサービスです。

【なお、171が開発されてから、ふくそうの緩和までの日数は大きく改善されました。たとえば新潟中越地震や岩手宮城内陸地震、東日本大震災では、当日中、半日程度でふくそうが緩和されました。東日本大震災ではインターネットを利用したweb171も多く使われました(補足あり)】

また、NTTドコモでも携帯電話用にiモード災害用伝言板を開発しました。(他の携帯電話各社も災害用伝言板を提供しています。詳しくは各社のホームページ等をご参照ください。)
災害用伝言ダイヤルと同様に安否確認などに利用してください。

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