地域防災の必要性
2.住民主体の防災力向上の必要性

1995年(平成7年)1月17日、午前5時46分大都市神戸を中心にした「阪神・淡路大震災」・・・。死者6千人以上という悲劇を生み出しました。

地震発生直後、各消防署には火災や救急を求める通報や駆け込みが殺到しましたが、要員や資機材が追いつかず、倒壊した建物で道路が寸断されて現場に急行できず、さらに、火災の現場では断水のため消火のための水を確保できませんでした。

こうした中、大きな力を発揮したのは、近隣の人たちでした。

阪神・淡路大震災では、生き埋めや建物等に閉じ込められた被災者のうち、消防などの専門の救助隊から助けられたのは、全体の僅か1.7%でした。


この時、救助された人の実に95%は、自力または家族、近隣の人々によって救助されました。

阪神・淡路大震災のような災害が発生した場合、普段のように消防車や救急車がすぐに駆けつけることは困難です。

火災や救出の現場が数多く発生し、さらに、道路の寸断などによって活動が大きく妨げられるためです。

こうした事態では、まず自力で対処することが考えられますが、家族全員が生き埋めになってしまった場合、あるいは、自分が外出中に災害が発生し、自宅に子どもやお年寄りだけが残っていたら、いったい誰が助けてくれるのでしょうか。

隣近所の方々しかいません。隣近所の方々はいざというときすぐに対応できます。隣近所の持つ最大の特徴は「即応性」にあるのです。

では、普段何もしなくても、隣近所の方々は助けてくれるのでしょうか。これは難しいですね。日頃の近所付き合いや連帯意識が「即応性」を支えます。

「困ったときはお互い様」という気持ちで、普段から地域の防災活動に取り組むこと、これが、他人を助けることだけでなく、自分自身や家族を守ることにつながるのです。

地域の防災活動のための組織として町内会・自治会や小学校区などを単位とした自主防災組織があります。

災害から危険な場所、安全な場所、一人暮らしの方の家などそれぞれの地域の実情を最も知っているのは地域の方々です。力を合わせて住民の方々が中心となった防災力を高めていきましょう。

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