津波対策(監修:今村文彦 東北大学教授)
5.津波の来襲と浸水

 津波の怖さは、浸水域の大きさとその破壊力です。通常の風による波では3~30秒程度で周期が短いために、波の山が来てもすぐに沖に引いて行きます。そのために、来襲しても陸上に大量に遡上することはありません。一方、津波の周期は数分から1時間にもなり、長時間水位の高い状態が続くので、遡上しやすく浸水域は大きくなります。しかも、大流速を伴って遡上して来ますので、高さ30m以上も駆け上がることもあります。また、引いていく際の流速も大きく、人や車などを沖に運んでしまいます。

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