土砂災害対策(監修:岩松暉 鹿児島大学名誉教授)
3.地すべり

カッコ付き"土砂災害"のうち、一番規模の大きなものは地すべりです。家や畑を乗せたまま動くこともあります。これは地すべり等防止法を制定するきっかけになったとして名高い、新潟県の棚口(ませぐち)地すべりです。
地すべりは泥岩や結晶片岩など特定の地質のところで発生します。梅雨時や雪解け時に地下水の増加が引き金となって動き出します。マスとして原形を保ったままゆっくり動きますので、避難する余裕がありますから、死者を出すことは稀です。ただし、阪神大震災の時の仁川地すべりのように、地震に起因する例もありますし、高速に動くものもあります。

続きを読む