土砂災害対策(監修:岩松暉 鹿児島大学名誉教授)
16.地域を知る

次は「己を知る」、つまり自分が住んでいる地域を知ることです。危ないところに住んでいるという自覚がなければ、いくら行政が呼びかけても被害は食い止められません。
そこで、鹿児島市では、災害知識の解説も付いた詳しい防災マップを全世帯に配布しました。各自の家が一軒一軒分かる10,000分の1のスケールで描かれています。クリーム色の部分ががけ崩れの危険があるところです。昔も防災マップはあったのですが、このときは公民館に配った程度で全市民には周知されていませんでした。1993年の鹿児島豪雨災害以来、こうしたマップを積極的に作成・公表するようになりました。

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