雪害対策(監修:沼野夏生 東北工業大学教授)
2.雪害の特性その1「長期性と季節性」

 地震や風水害、地すべりなど、自然災害の多くは短時間に起きる異常な自然現象によって引き起こされ、多くは突発的なものです。しかし雪害は、なだれなどを除けば、雪のある期間全体を通して、さまざまな災害現象がゆるやかに、しかし次々と起きることがひとつの特徴です。
 大きな豪雪があった年には100名以上の死者が出ることも少なくありませんが、その発生時期の幅は数ヶ月に及びます。冬の間、雪国の住民は雪害の危険と毎日向き合いながら暮らすのです。このような長期性を持つ半面、はっきりした季節性があるのも雪害の特徴です。人々は春の訪れとともに雪のつらさ、恐ろしさを忘れることができます。

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