雪害対策(監修:沼野夏生 東北工業大学教授)
11.56豪雪 豪雪災害事例

 北陸地方を中心とした昭和56年1月の「56豪雪」は、本格的な車社会に突入し、高齢化社会の入り口に立った日本の雪国に対して、多くの課題を突きつけました。
 消防庁の調べで死者・行方不明者が152人にのぼる大きな人身被害を出すなか、被害者の高齢化が指摘されました。
 また各地で長期にわたり道路機能の阻害が続きましたが、市街地が徒歩圏を大きく超えてひろがった福井市では、小都市にはみられないとりわけ深刻な都市機能のマヒに陥り、通勤やゴミ処理、郊外団地の除雪などが混乱しました。
 これに対し、公共交通機関の充実やパークアンドライドシステムの採用など都市構造の改善も提案されましたが、実現には至りませんでした。

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