原子力災害対策
2.特徴と被ばく経路

原子力災害では、放射線による被ばくは五感で感じられない、原子力、放射線、放射能は一般に理解しにくいなどから台風、地震、噴火などの自然災害とは異なった対応が求められます。

施設周辺の一般公衆が被ばくをする場合の形態としては、体の外から放射線を浴びて被ばくする、いわゆる「外部被ばく」と放射性物質を呼吸や飲食物の摂取を通して体の中に取り込み、これから出る放射線により被ばくする、いわゆる「内部被ばく」があります。

外部被ばくの経路としては、原子力施設から直接放出される放射線により直接被ばくする、または放出された放射線が空気中で散乱して降り注ぐスカイシャインと呼ばれる現象により被ばくする場合、原子力施設から放射性物質が排気などとともに一旦外部に放出され、排気の拡がり、すなわち放射性プルームと呼ばれますが、これから放出される放射線により被ばくする場合があります。


また、プルームから一旦地面などに沈着した放射性物質から出る放射線により被ばくする場合もあります。

内部被ばくの経路としては、排気や排水などとともに環境に放出された放射性物質を呼吸や傷口などから直接体の中に取り込む場合や、放射性物質で汚染された飲み水や食物を摂取することにより体の中に取り込む場合があります。

このように問題になるのが放射線なのか、放射性物質なのか、更には被ばくの形態や経路は何かをしっかり見極めて適切な防護対策を実施する必要があります。

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