近年の主要災害の教訓
8.土砂災害の教訓

 集中豪雨の中には、たいへん狭い範囲に降ることから、市町村役場で十分に状況把握することが難しいケースがあります。
 2003年(平成15年)7月20日深夜、水俣市で発生した土砂災害もこのような集中豪雨によるものでした。
 深夜になって降り始めた雨に、気象庁は大雨洪水警報を出しました。土砂災害の発生した地区では「屋根を破損するほどの豪雨」だったそうです。しかし、この雨は大変局地的で、役場から離れていたために、役場に集まった職員はその緊急性をつかむことができませんでした。深夜の警報から2時間ほどで、市内2ヶ所で土石流が発生し、19人の住民が犠牲となりました。

 このような集中豪雨では、役場周辺の状況だけで判断せずに、積極的に情報収集することが必要です。また、住民が自主的に避難できるように、土砂災害の前兆を周知しておくことも大切です。

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