近年の主要災害の教訓
9.高潮災害の教訓

 高潮災害のおそれがある場合には、早めの避難勧告・指示が求められます。
 近年、多くの犠牲者が出た高潮災害としては、1999年(平成11年)の不知火海高潮災害があります。それまで高潮や高波の経験のなかった漁村で12名もの命が奪われました。
 この高潮災害は、不知火海に沿って北上していた台風第18号によって起こりました。台風の通過時刻は、満潮時ではありませんでしたが、大潮の潮位上昇時間帯に重なっていました。さらに、大きな被害を受けた不知火町松合地区は、地形的に高潮の被害を受けやすい位置にありました。これらの悪条件が重なったため、海水が一気に流れ込み、12人が犠牲になりました。
 高潮災害は、このように大気や海水、地形などの条件がそろうことで、どのような場所にも発生します。気象庁の発表する高潮警報などに注意し、早めに避難準備情報や避難勧告、指示を発令するなどの対応をとっていくことが必要です。

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