災害予防対策としての取り組み事項
3.(1) リスク把握・評価・被害想定

 予防対策の最初のステップは、リスク把握や評価、被害想定により災害を知ることです。
 災害には、地震や風水害のほか、地域によって火山災害、原子力災害、危険物施設での事故なども考えられます。
 まず、自分たちの住むまちでどのような災害が起こりうるか把握しておきましょう。過去の災害や最新の予測に基づいて、リスクを把握し予想される被害を検討します。各都道府県や国の機関では、被害の範囲や規模を地図にまとめたハザードマップや、被害想定などを作成している例もありますので、それらの結果も参考にします。

 なお、被害想定においては、なるべく想定外のことが起きないように津波の高さを精密に予測するなど、きちんと想定しておくという「リスクマネジメント」と、それでも想定外のこと(最悪の事態)が起きうるのだという「クライシスマネジメント」の2本立てで検討すべきです。
 さらに、リスクマネジメントとしての津波の想定について、中央防災会議専門調査会の報告では、以下のような2つのレベルを提示しています。
 第1の想定は、「発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波」です。この対策としては、住民等の生命を守ることを最優先とし、住民の避難を軸に、とりうる手段を尽くした総合的な津波対策を確立するというものです。
 第2の想定は、「最大クラスの津波と比べて発生頻度が高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波」です。この対策としては、人命保護に加え、住民財産の保護、地域の経済活動の安定化、効率的な生産拠点の確保の観点から海岸保全施設等を整備するというものです。
 被害の評価や想定に関する情報は他の関係機関と共有し、災害予防対策に取り組みましょう。

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