災害時の通信手段
6.防災行政無線

 我が国では、災害時に備えて、防災無線システムが整備されています。

 まず国レベルでは、総理官邸や各省庁、指定公共機関(NTT、NHK、電力会社など)をつなぐ「中央防災無線」があります。また、消防庁と全国の都道府県を結ぶ「消防防災無線」では、衛星通信の利用も可能となっています。
 市町村の災害時の対応に直接関係するシステムとしては、主に次の2種類があります。まず第一は、「都道府県防災行政無線」と呼ばれ、都道府県と市町村、地域の行政機関や公共機関を結ぶシステムです。第二のシステムは、市町村が住民に放送したり、関係機関と連絡するための「市町村防災行政無線」です。なお、この「市町村防災行政無線」は全国瞬時警報システム(J-ALERT)の一翼を担い、津波警報や緊急地震速報、弾道ミサイル情報といった対処に余裕のない事態が発生した場合に人工衛星を用いて情報が送信され、自動起動することによって、国から住民へ直接・瞬時に緊急情報を伝達します。

 これらの無線は災害時に確実に使用できるようにしておく必要があります。落下や転倒を防止する対策を講じるとともに、停電に備えた非常電源も確保しておかなければなりません。庁舎そのものが被災する可能性がある場合は、別の建物に整備することも考えましょう。

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