二次災害の防止
3.風水害の二次災害

 それでは、風水害の場合は、どのような二次災害があるでしょうか。
 まず考えられるのは、有害物質などの漏洩です。市街地が浸水することで、有害物質などを保管する施設から流出し、広がってしまうことがあります。これにより、河川などへ流入して飲用水が取水できなくなったり、土壌を汚染するという問題が引き起こされます。1998年(平成10年)9月に高知市を襲った集中豪雨では、メッキ工場からシアン化合物が流出し、井戸水の飲用ができなくなりました(高知市,2000)。
 このほか、地震の場合と同様に、地すべりや土石流などによってせき止め湖ができ、これが決壊して下流域に洪水をもたらす二次的な水害もあります。
 また、被災後の衛生状態が悪化することで、感染症などが流行するおそれもあります。
 このように、風水害においても、さまざまな側面で二次的な災害が発生することがあります。

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