仮設トイレと防疫·保健衛生
2.仮設トイレの設置・管理

 まず、災害時における仮設トイレについて考えてみましょう。
 災害により断水や下水道の被害が発生すると、普段使われている水洗トイレが利用できなくなります。また、多くの人が集まる避難所では、トイレそのものの数が不足するでしょう。
 このような中、仮設トイレの設置が遅れることは、命にも関わる問題です。例えば、トイレが不足するため水分の摂取を控えると、普段健康な人でも、血液の中に血栓ができて肺の血管に詰まり、いわゆるエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)を引き起こすおそれがあります。市町村としては、災害後いち早く仮設トイレを調達し、各所に設置することが必要です。

 また一方で、十分な数の仮設トイレが設置されるまでは、水が出ない水洗トイレの使い方を周知・指導することも必要です。これにより、災害直後のトイレ不足をとりあえず乗り切ります。

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