C災害 (監修·制作協力:相模原市消防本部、東京消防庁第三消防方面本部消防救助機動部隊)
2.化学テロ災害と消防庁の対策

 平成6年6月27日深夜、長野県松本市の住宅地に化学剤である猛毒の「サリン」が散布され、死者7人、重軽傷者600人以上を出した「松本サリン事件」が発生しました。また、平成7年3月20日に東京都内の営団地下鉄日比谷線、千代田線、丸の内線各線の地下鉄車内でも「サリン」が散布され、12人が死亡し5,000人以上が負傷する無差別テロ「地下鉄サリン事件」が発生しました。
 地下鉄サリン事件では、傷病者の救出活動や救急活動にあたった135名の消防職員がサリンによる2次被害を受けました。

 このことから、総務省消防庁は「毒性ガス発生事件における救助救急活動の安全確保について(平成7年4月6日付け消防救第43号)」を全国に通知し、防護資機材の整備などによる隊員の安全管理などについて注意喚起が行われるとともに、各消防本部では、陽圧式化学防護服や検知資機材などの整備と体制の強化が行われてきました。
 さらに、総務省消防庁では、平成13年9月に発生した米国同時多発テロ事件や、その後に発生した炭疽菌事件を踏まえ、平成13年度に、陽圧式化学防護服、携帯型化学剤検知機などの資機材を購入し、政令指定都市や各都道府県の代表的な消防本部に対して、これらの資機材を無償貸与し、生物・化学テロ災害の対応能力の強化を図りました。
 また、国庫補助の対象に、テロ対策特殊救助資機材として、平成14年度に陽圧式化学防護服、生物剤検知装置、除染シャワー及び除染剤散布器を、また、平成16年度にNBC対応車両が追加されました。

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