水防工法には越水、漏水、川表の洗掘や亀裂、都市型水害に対する工法があります。
まず越水の原因には河川の流水量が計画流量を大幅に超える場合や橋などのピアによるせきあげ、河床の異常堆積などがあります。これらの対処療法的な解決策として積み土のう工法があげられます。
積み土のう工法とは天端に土のうを積んで越水を防止する工法で通常、土のうを2から5段に積み更に控え土のうにより漏水防止を図るほか杭又は鉄串などで補強を行います。
それでは作業の手順です。
まず土のうの詰め土は、袋の八部くらいまで詰めることで柔軟性を持たせ積み並べた際の密着性をよくします。
積み並べていく場所ですが表のり肩が欠けこんでも支障のないように堤防の川側から0.5~1m後退した場所に積みます。
尚、表土のうを長手積みにする場合は土のうの締め口を下流側に、小口積みの場合は締め口を裏のり側に積みます。
土のうは、できるだけ密着させて並べてから控え土のうを並べていきます。
2段目を積み重ねる場合は下流側から行います。
積み重ね方はご覧のように1段目の土のうの継ぎ目に中心を位置させるように並べていきます。
同じようにして3段目を積み重ねるとともに控え土のう積みあげます。この時、控え土のうは、表土のうから約30cmあけて小口積みに2段に並べます。
さらに表どのうは4段目、5段目を積み重ねていきます。
また漏水を防ぐために土のうの継ぎ目に土を入れて踏み固めていきます。
最後に杭を打ち込んで補強をします。
これで積み土のう工法は完成です。
また改良積み土のう工法ではご覧のように堤防天端に杭を打ち、シートを張って裏に土のうを積む工法もあります。
その他の代表的な工法としては鋼板防護工法があります。
これは支柱を通して地中に打ち込み、鋼板を垂直に立ててその裏側に補強のため土砂を盛ります。
この工法は越水防止のほか築回しのしがらみの代わりや崖崩れなどの土止め柵の代用としても活用できます。
また杭の打ち込みができないコンクリート堤防等ではじゃかご積み工法が有効になります。
この工法は玉石等をじゃかごに詰めると流れの激しい越水を防ぐのに適しています。
じゃかごは越水防止の他、洗掘、のり崩れ。亀裂防止などにも用いられます。
その他の越水に対する工法としてはご覧のようなものがあります。