② 地方公共団体と事業所との防災協力
10.防災協力促進のための環境整備

 以上、事業所の防災協力の3つの方法及びその具体的取り組み事例を取り上げましたが、防災協力をより広く促進するためには、環境整備が不可欠です。
 その具体的取組としては、次のようなものが挙げられます。
 まず、地方公共団体と事業所間で「防災協力」の具体的なメニューを決定することです。その上で、防災協力事業所登録制度、消防団協力事業所表示制度の導入や防災協力協定の締結などどのような方法で協力活動を実現するか、事業所と共に考え協力体制を充実させましょう。
 次に、防災行政無線のデジタル化やインターネットの活用などにより災害時の情報共有システムを整備することも考えられます。情報の共有化により、いざというときの効率的な活動が期待できるようになります。

 さらに、効率・効果的な防災協力のための準備も求められます。事業所の防災協力活動が成功するためにはその組織力を活かすことが重要です。そのため、平時より、防災協力のためのグループ編成を行い、地域の防災訓練に参加する等の取り組みが求められます。
 また、事業所の防災協力が迅速に行われるためには、従業員や事業所そのものの被害を最小限に止めることが重要です。社屋の耐震化、資機材の充実、訓練の実施など事業所自らの取り組みを促すことも重要でしょう。
 最後に、事業所にインセンティブを与えることも考えられます。事業所の防災協力が住民の間で評価される機運の醸成、コミュニティ独自の表彰制度等顕彰の仕組みの整備、SRⅠファンド対象の防災分野への拡大、防災格付け融資の申請などが挙げられます。

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