最近では、平成25年2月8日に長崎県長崎市で

発生した認知高齢者グループホーム火災(死傷者
12名)について消防庁長官による火災原因調査が
行われた。その結果等を踏まえ「認知高齢者グ
ループホーム等火災対策検討部会」を開催し、認知

高齢者等が入所する施設における火災対策のあり

方について検討を行った。また、平成25年8月15
日に京都府福知山市で発生した火大会火災(死傷
者59名)について消防庁長官による火災原因調査
が行われた。その結果等を踏まえ「屋外イベント会
場等火災対策検討部会」を開催し、火大会等の屋
外イベント会場等における火災予防対策のあり方に
ついて検討を行った。さらに、平成25年10月11
日に福岡県福岡市で発生した所火災(死傷者
15名)について消防庁長官による火災原因調査が
行われた。その結果等を踏まえ、「有床所火災
対策検討部会」を開催し、現行規制の総合的な点検
及び有床所におけるソフト・ード両面での防
火対策のあり方などについて検討を行っている。

さらに、製品火災に係る火災原因調査の実効性の

向上を図るため、平成24年の「消防法の一部を改
正する法律」により、消防機関に対し、製造・入
業者への資料提出命令権及び報告収権を付与する
こととした。

火災対の推進

近年の火災の出火原因は極めて多様化しており、

その中で自動車等、電気用品及び燃焼機器など、国
民の日常生活において身近な製品が発火源となる火
災が発生していることから、消費者の安心・安全の
確保が強く求められており、消防庁では製品火災対
策の取組を強化している。

これらの火災について消防庁では、消防機関の特

性を活かして火災情報を的に収集する体制を確
立し、発火源となった製品の種類ごとに火災件数を
集計して、製造事業者名と製品名などを四期毎に
公表することにより、国民への注意起を迅速かつ
効率的に行っている。

平成24年中(平成24年1月12月)に発生した

自動車等、電気用品及び燃焼機器を発火源とする火
災のうち、「製品の不具合により発生したと判断さ
れる火災」及び「原因を特定できない火災」の分
により、消防機関から報告されたものについて製品

の予防体制及び警体制を充実強化し、並びに消火
活動を行する上で必要不可欠な資料を提供するも
のである。火災の原因究明は一義的には地方公共団
体のであるが、それを完することは国の務
である。これらを踏まえ、消防機関から要があっ
た場合及び消防庁長官が特に必要があると認めた場
合は、消防庁長官による火災原因調査を行うことが
できることとされている(P.252参)。

本制度による火災原因調査は、火災種別に応じて

消防庁の職員により編成される調査チームが、消防
機関と連携して実施するものであり、調査から得ら
れた知見、資料を基に検討が行われ、消防行政の施
策に反映されている。

平成20年度においては、平成20年10月1日の

大阪市速の個室ビデオ店火災(死傷者25人)
について、消防庁長官による火災原因調査が行わ
れ、その結果等を踏まえて「予防行政のあり方に関
する検討会」を開催し、この中間報告に基づき、消
防法施行規則を改正し、自動火災報知設備や誘導
に関する設置基準が強化された。また、平成21年
3月19日の群県川市人ホーム火災(死傷者
11名)についても、消防庁長官による火災原因調
査が行われ、その結果等を踏まえ「小規模施設に対
応した防火対策のあり方に関する検討会」が開催さ
れ、防火安全対策の検討が行われ、危険性の高い社
会福施設、簡易宿泊所等に対する「防火安全
育・指導のための住宅用火災警報器の配備事業」を
実施する契機となった。

平成23年度においては、平成23年3月11日に

発生した東日本大震災において発生した県市原
市のコスモ石油製油所式会社製油所火災につ
いて、消防庁長官による火災原因調査が行われた。

平成24年度においては、平成24年4月22日に

山口県和木町で発生した三井化学式会社国大
工場製造施設火災について、消防庁長官による火災
原因調査が行われた。また、平成24年5月13日に
広島県福山市で発生したホテル火災についても、消
防庁長官による火災原因調査が行われ、その結果等
を踏まえて「ホテル火災対策検討部会」を開催し、
火災被害拡大対策や火災予防行政の実効性向上につ
いて検討を行った。さらに、平成24年9月29日に
兵庫県路市で発生した式会社日本触路製造
所爆発火災についても、消防庁長官による火災原因
調査が行われた。

第1 火災予防

災のと


74