東日本大震災た危険物施設の全対策
消防庁では、東日本大震災での被害状況を踏まえ

危険物施設の安全対策について、必要な対応を行っ
ている。

平成24年5月には危険物の規制に関する規則を

改正し、予防規程への記載事項に津波対策を追加す
るとともに、危険物施設における地震・津波対策に
係る留意事項を全国の消防機関等に通知した。

また、屋外タンク貯蔵所における津波対策につい

ては、タンクの規模や津波浸水想定等に基づいた津
波被害シミュレーションを踏まえて具体的な置を
講じる必要があることから、消防庁において当該シ
ミュレーションールを作成し、平成24年8月か
ら消防庁ホームページにおいて提供している。

さらに、平成25年3月には「東日本大震災を踏

まえた貯蔵・取扱い等の安全確保のあり方に係
る検討報告」を取りまとめ、これを受けて同年
10月に「震災時等における危険物の貯蔵・取
扱い等の安全対策及び手続きに係るガイドライン」
を全国の消防機関等に周知した。

危険物施設は震災時等において二次被害の発生防

止が求められることに加え、早期の燃料等の供給の
再開や避難支援等のも期待されていることか
ら、平成25年8月から「東日本大震災を踏まえた
危険物施設の震災等対策のあり方に関する検討会」
を開催し、危険物施設の事業者が適切かつ容易に震
災等対策(事前の計画の作成、従業員への育・訓
練、震災発生時の事業者等の対応、発生後の被害の
確認・応急置、時的な対応、復対応等)を実
施することができるよう、過去の被災事例や功事

制定により、全国統一的に実施することとされ、そ
れ以来、危険物施設

*2

に対する、より安全で必要

分な技術上の基準の整備等を内容とする関係法令の
改正等を次行い、安全確保の

を図ってきた。

なお、危険物に関する規制の概要は、下記のとお

りである(

第1211

)。

・指定数量(消防法で指定された、貯蔵は取扱

いを行う場合に可が必要となる数量)以上の
危険物は、危険物施設以外の場所で貯蔵し、
は取り扱ってはならず、危険物施設を設置しよ
うとする者は、その位置、構造及び設備を法令
で定める基準に適合させ、市町村長等の可を
受けなければならない。

・危険物の運については、その量の多少を問わ

ず、法令で定める安全確保のための基準に従っ
て行わなければならない。

・指定数量未の危険物の貯蔵及び取扱いなどの

基準については、市町村条例で定める。

ア 

の進展等

た危険物規制の

危険物等の規制に関しては、科学技術の進展、社

会経済の変化等を踏まえ、必要な見直し等を行って
いる。

最近の主な対応としては、平成24年7月に、新

たに危険性が確認された「酸ナトリウム過酸化水
素付加物」を消防法別表第一に掲げる第1類(酸化
性固体)の危険物の品名に追加した。

また、屋外タンク貯蔵所に関するものとしては、

屋外貯蔵タンクの側板の腐食等による危険物の流出
事故が近年においても多く発生していることから、
危険物保安技術協会において取りまとめられた「屋
外貯蔵タンクの側板の点検に係るガイドラインの作
成に関する検討報告」を踏まえ、タンクの所有者
等が自主的に取り組むべき側板の詳細点検に係るガ
イドラインを平成25年3月に全国の消防機関等に
通知した。

さらに、平成24年11月に沖縄県で発生した浮き

屋根式屋外タンク貯蔵所における浮き屋根沈降事故
を踏まえ、浮き屋根式屋外タンク貯蔵所の保安対策
の及び応急置体制の整備について、平成25
年7月に全国の消防機関等に通知した。

東日本大震災による一般取扱所の被害状況(仙台市消防局提供)

*2危険物施設:消防法で指定された数量以上の危険物を貯蔵し、は取り扱う施設として、市町村長等の可を受けた施設で、

P.82のとおり、製造所、貯蔵所及び取扱所の3つに分されている。

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