震・津波の検討を進めることとされた。同モデル検
討会は、同年12月に南海トラフの巨大地震モデル
の想定震源域・想定津波波源域の設定の考え方など
の「中間とりまとめ」を公表し、平成24年3月に
は、最大クラスの震度分布・津波高(50mメッ
シュ)の推計結果を第一次報告として公表した。続
いて、同年8月に10mメッシュによる津波高及び
浸水域等の推計結果を第二次報告として公表した。
一方、南海トラフ巨大地震に対する対策を検討す
るため、平成24年3月、中央防災会議「防災対策
推進検討会議」の下に「南海トラフ巨大地震対策検
討ワーキンググループ」が設置され、同年7月には、
当面取り組むべき対策等を取りまとめた中間報告
を、同年8月には、モデル検討会の10mメッシュ
による津波高等の公表に合わせて、第一次被害想定
(人的被害及び建物被害)を、また平成25年3月に
は、第二次被害想定(施設等の被害及び経済的な被
害)を公表した。更に、同年5月には、同ワーキン
ググループより、南海トラフ巨大地震の基本的方
向、具体的に実施すべき対策、今後検討すべき主な
課題などを示した最終報告が公表された。
ア 東日本大震災以前の組
首都地域は、人口や建築物が密集するとともに、
我が国の経済・社会・行政等の諸中機能が高度に
集積している地域であり、大規模な地震が発生した
場合には、被害が甚大となり、かつ影響が広域に及
ものとなるおそれがある。平成15年から開催さ
れた中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」
によると、南関東地域においては、200300年に
一度、大正12年(1923年)の関東地震と同様の
マグニチュード8クラスのプレート境界型地震が発
生し、その間にマグニチュード7クラスの地震が数
回発生する可能性が高いとされている(
第1
3
)
*4
。
このため、マグニチュード7クラスの首都直下地
震が発生した場合の被害想定を行う(平成16年12
月及び平成17年2月)とともに、平成17年9月に、
首都地域の特性を踏まえた首都中機能の継続性確
保や大な被害への対応を対策のとする首都直下
地震対策大が策定された。
その後、首都直下地震において想定される大な
数の避難者・宅困難者への対策を検討するため、
平成18年より中央防災会議「首都直下地震避難対
策等専門調査会」が開催され、平成20年10月に同
調査会報告が取りまとめられた。それを受け、平
成22年1月の中央防災会議において、大の正
がなされ、地方公共団体の連携による広域的な避難
体制の整備、日宅や時宅による一宅の
抑制、宅困難者等一時滞在施設の確保等の具体的
な対策の必要性が盛り込まれた。
東日本大震災のた組
平成23年9月に、内閣府と東京都を共同事務局
とし、関係府省庁、地方公共団体及び経済団体等か
らなる「首都直下地震宅困難者等対策協議会」が
設置され、平成24年9月には、宅困難者対策を
官民が連携・協して実施するための報告・ガイ
ドラインが取りまとめられた。
*4南関東で発生するマグニチュード7程度の地震が今後30年以内に発生する確率(平成25年1月1日時点)は、地震調査研究
推進本部の地震調査委員会の公表によると、10%程度となっている。
この400年間における関東の大きな地震
220年
200年~300年
1600
1650
1700
1750
1800
1850
1900
1950
2000
M
8.0
7.5
6.5
7.0
1782.8.23
天明小田原地震(M7.0)
1855.11.11
安政江戸地震(M6.9)
1894.6.20
明治東京地震(M7.0)
1953.11.26
総沖地震(M7.4)
関東大震災クラスの地震が発生
する可能性
1923.9.1
関東地震(M7.9)
1703.12.31
元地震(M8.2)
1924.1.15
丹沢地震(M7.3)
(関東地震余震)
1930.11.26
北伊豆地震(M7.3)
点
時
現
M7クラスの地
震が発生する
可能性
111