消防力の充実強化に大きなを果たしてきた。制
定以来、数次にわたり一部改正が行われたが、都市
構造や消防需要の変化に対して、消防活動の実態を
反映したより合理的な基準となるよう、平成12年

(2000年)に全部改正が行われ、それまでの「必

要最小限の基準」から「市町村が適正な規模の消防
力を整備するに当たっての指針」へと性格が改めら
れ、市町村が目標とすべき消防力を算定するに当
たって、自主的に判断することができる要素が拡充
された。

また、平成17年には、社会環境の変化に対応し、

消防任を担う市町村が的確にそのを果たすこ
とができるよう、消防職員の職務能力に関する基
準、務の基準、防災・危機管理に関する基準等を
追加するとともに、具体的な内容を示し、市町村が
消防力の整備を進める上での整備目標としての性格
を明確にするため、告示の題名を「消防力の整備指
針」に変更した。

本指針において各市町村は、その保有する消防力

を総点検したうえで、この「消防力の整備指針」
に定める施設及び人員を目標として、地域の実情に
即した適切な消防体制を整備することが求められて
いる。

なお、消防力の整備指針に基づく消防施設整備計

画実態調査については、おおむ3年ごとに実施し
ている。

消防庁では、消火活動時における消防隊員の安全

性の向上のため、平成22年度に「消防隊員用個人

防火装備のあり方に関する検討会」を開催し、消防
隊員用個人防火装備(以下「個人防火装備」とい
う。)に求められる性能等について検討を行い、平
成23年5月に「消防隊員用個人防火装備に係るガ
イドライン」(以下「ガイドライン」という。)を策
定している。

ガイドラインは、火災発生建物へ屋内進入する可

能性のある消防員の防火服、防火手、防火及
び防火を対象に、炎性、熱性等の熱防護性
や、適性、運動性等の機能について、消火活動を
実施する上で安全上必要と思われる一定の性能及び
その試験方法を定めたほか、安全な着装方法などの
基本事項及びメンテナンスなど取扱い上の注意事項
を明記している。

各消防本部においては、地域特性や消防戦術等を

考慮し、ガイドラインを参考としながら、個人防火
装備の仕様について検討を行い、消防隊員は、個人
防火装備の持つ性能等を育訓練で理解した上で、

分な安全管理体制のもと、消火活動を実施するこ

とが必要とされている。

なお、防火服等の消防隊員用個人防護装備に関す

る国際規格については、ISO(国際標準化機構)の
人体安全の防護及び装置に関する専門委員会及び
その下部組織である分科委員会(ISO/TC94/SC14)
において、建物火災用個人防護装備(防火服、防火
手、防火及び防火)の新たな国際規格の作成
に向けた審議がされており、これに対して、日本国
内では消防庁も委員として参加しているSC14国内
対策委員会において審議が行われている。

143