を含む救急隊員が行う応急置等の質を向上させ、
救急救命の置範囲の拡大等救急業務の高度化を
図るためには、今後もメディカルコントロール体制
を一層充実強化していく必要がある。

なお、消防庁においては、全国のメディカルコン

トロール協議会の質の上げ、メディカルコント
ロール体制の地域間格の解消や充実強化、全国の
関係者間での情報共有及び意見交換の促進等を図る
ことを目的として、平成19年5月に設置された「全
国メディカルコントロール協議会連絡会」を定期的
に開催している。

また、平成21年に改正された消防法に基づく、

実施基準に関する協議会(3(2)傷者の及
び傷者の受入れの実施に関する基準参)につい
て、メディカルコントロール協議会等の存の協議
会の活用も可能となっているなど、そのは非常
に重要なものとなっている。

我が国では、平成17年1月から全国の消防本部

で一にウタイン様式

*7

の導入を開始している

が、全国統一的な導入は世界初であり、先進的な取
組となっている。消防庁としては、ウタイン様式
による調査結果をオンラインで集計・分析するため
のシステムの運用も開始しており、今後は、救急救
命が行う救急救命置の効果等の検証や諸外国と
の比が客観的データに基づき可能となることか
ら、プレホスピタル・ケアの一層の充実に資するこ
とが期待されている。

消防庁の有する救急蘇生統計(ウタインデー

タ)については、適切かつ有効に活用されるよう、

に基づき、関係学会等にデータの提供を行って

いる。

ウタインデータに関しては、平成17年から平

成21年の5年分を合計した1月後生存率及び1
月後社会復率が取りまとまったことから、地域メ
ディカルコントロール協議会ごとのデータを提供
し、それぞれの地域における救命率向上のための方
策や体制の構築等に活用することとしている。

また、ウタイン様式の運用に当たっては、予後

〔3〕 薬剤投与

薬剤投与については、平成18年4月から心

機能止傷者に対し、救急救命によるアドレ
ナリンの使用が認められることとなった。薬剤投
与の実施に当たっては、高度な専門性を有する所
要の講及び実を了する必要があること
から、消防庁としては、一般団法人救急振興
団等における講体制の確保及びメディカルコン
トロール協議会が選定する施設における実体制
の確保を推進してきた。これを受け、各機関にお
いて、順次講及び実が開始され、平成25年
4月1日現在、薬剤投与を実施することのできる
救急救命の数は18,140人となっている。

さらに、平成21年3月より、アナフィラキシー

ショックにより生命が危険な状態にある傷者
が、あらかじめ自注が可能なアドレナリン製
剤(エピペン)を方されている者であった場合
には、救急救命が、当該アドレナリン製剤(エ
ピペン)によるアドレナリンの投与を行うことが
可能となった。

プレホスピタル・ケアにおけるメディカルコント

ロール体制とは、学的観点から救急救命を含む
救急隊員が行う応急置等の質を保証することを指
す。具体的には、消防機関と機関との連携に
よって、〔1〕学的根に基づく、地域の特性に
応じた各種プロトコルを作成し、〔2〕救急隊が救
急現場等から常時、迅速にに指示、指導・助言
を要することができ、〔3〕実施した救急活動の

学的判断や置などについて、により学

的・客観的な事後検証が行われるとともに、その結
果がフィードックされ、再育等に活用される体
制をいうものである。

消防機関と機関との協議の場であるメディカ

ルコントロール協議会は、各都道府県単位及び各地
域単位で設置されており、平成25年10月1日現在
において、各地域単位のメディカルコントロール協
議会数は248となっている。メディカルコントロー
ル協議会においては、事後検証等により、救急業務
の質的向上に積極的に取り組んでおり、救急救命

*7ウタイン様式:心機能止例をその原因別に分類するとともに、目撃の有無、イスタンー(救急現場に居合わせ

た人)による心蘇生の実施の有無等に分類し、それぞれの分類における傷者の予後(1月後の生存率等)を記録する

ための調査統計様式であり、1990年にノルウーの「ウタイン道」で開催された国際会議において提され、世界的

に推奨されているものである。

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