の調査を含め消防機関と機関の連携体制の充実
強化を一層促進していくことが重要である。

なお、従来、ウタイン様式については、「ウ

タイン統計」及び「心機能止傷者の救命率等
の状況」として公表していたが、救急された心

機能止傷者に関する統計であることをより分

かりやすくするため、平成21年から「救急蘇生統
計」へと名の変更を行っている。

救急出動要から救急隊が現場に着するまでに

要する時間は、平成24年中の平均では8.3分であ
り、この間に、イスタンー

*8

による応急手当

が適切に実施されれば、大きな救命効果が得られ
る。したがって、一般市民の間に応急手当の知識と
技術が広く普及するよう積極的に取り組んでいくこ
とが重要である。現在、特に心機能止状態に

った傷者を救命するために必要な心蘇生法

(CP:Ca

Pma

ca

)の得を

目的として、住民体験型の普及啓発活動が推進され
ている。特に平成16年7月には、「非従事者に
よる自動体外式細動器(AED)の使用について」

(生労省政局長通知)により、非従事者

においても、自動体外式細動器(以下「AED

*9

という。)を使用することが可能となった。これを
受け、消防庁では、AEDの使用に係る普及啓発を目
的として、非従事者によるAEDの使用条件の
あり方等について報告を取りまとめており(「応
急手当普及啓発推進検討会報告」)、消防機関によ
るAEDを使用するための内容を組み入れた応急手
当普及講プログラム等の実施を促進している。

消防庁では、「応急手当の普及啓発活動の推進に

関する実施要」により、心蘇生法等の実技指導
を中心とした住民に対する救命講の実施や応急手
当指導者の成、公の出入りする場所・事業所に

務する管理者・従業員を対象にした応急手当の普

及啓発及び学校育の現場における応急手当の普及
啓発活動を行っている。この結果、講受講者数は
増加傾向にあり、全国の消防本部における平成24
年中の救命講受講者数は149万5,879人で、心

機能止傷者への住民による応急手当の実施率は
44.3%に上昇するなど、消防機関は応急手当普及
啓発の担い手としての主要なを果たしている。

また、平成23年度から、より専門性を高めつつ

受講機会の拡大等を図るため、主に小・・新
生を対象とした普通救命講や住民に対する応
急手当の導入講(「救命入門コース」)、ラーニ
ングを用いた分型の救命講を新たに追加するな
ど国民のニーズに合わせた取組も進めている。

なお、心蘇生法については、平成23年度、一

般団法人日本救急団の救急蘇生法委員会よ
り、新しい日本版救急蘇生法のガイドラインが示さ
れたことから、消防機関が行う住民に対する普及啓
発活動についても、このガイドラインを踏まえた内
容となっている。

消防機関においては、昭和57年に制定された

「救急の日」(9月9日)及びこの日を含む一週間の
「救急週間」を中心に、応急手当講会や救急

フア等を開催し、一般市民に対する応急手当の普
及啓発活動に努めるとともに、応急手当指導員等の

成や応急手当普及啓発用資器材の整備を推進して

いる。

一部の地域において、ICTの活用により各機

関の応需状況をリアルタイムに把握するための取組
など、実施基準に対応した情報システムの構築
が進んでいる。消防庁では、平成24年度から、消
防との連携による救命率の向上を目的として、
全国の先進的な情報システムの活用実態や具体
的功事例等の調査・分析を行い、ICTを活用した
救急活動に関する検討を行っており、消防審議会

においては、リアルタイムでの情報共有により、

円滑な

・受入れを可能とするためのICTの活用

を推進する必要があるとされた。平成25年度にお
いても引き続き、地域におけるICTの活用に向けた
検討・取組を支援することとしている。

*8

イスタンー(b

a

):救急現場に居合わせた人(発見者、同伴者等)のことで、適切な置が出来る人員が着す

るまでの間に、救命のための心蘇生法等の応急手当を行う人員のこと。

*9AED(A

ma

E

aDba:自動体外式細動器):心室細動の際に機器が自動的に解析を行い、必要に応じて

電気的なショック(細動)を与え、心のきを戻すことを試みる機器。薬事法上の「自動細動器」(広義の

AED)には、非従事者向けAED(PAD:PbcAccDba)及び従事者向けAED(自動式AED)が含まれ

る。救急隊は従事者向けのAEDを使用する。

第4 救急体制

消災のと


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