(エ) サブテーマ「AEDの不具合の原因調査と対

策検討」

救急活動において使用中のAEDに不具合と疑

われるような動作が生じる事例が相次いで発生し
ている。平成21年度に行われた全国メディカル
コントロール協議会連絡会の調査の結果による
と、平成19年から21年までの3年間に328件の
不具合が報告されており、その後も同様の事例が
発生している。このサブテーマでは、救急活動を
確実に行い、救える命を救えるようにするため、
AEDの動作の不具合の要因を調査分析し、対応策
の考案を目指している。

 平成24年度の主な開発成
サブテーマ「消防ヘルメット等の装備及び個人防

護技術の研究」では、消火活動を行う前の活動服及
び下着が共に乾燥している状態と、消防活動中に消
火水を浴びて活動服が含水している状態と比べて、
活動服が含水している状態のほうが、火炎による消
防隊員の皮膚の温度上昇が約1.5倍になることが判
明した。

サブテーマ「津波浸水域における消防活動用車両

等の研究」では、現場運用を考慮した時間及び人手
で飛ばせる機体の性能及びデータ解析方法について
の技術調査を行い、無人ヘリコプターの試作機の仕
様を策定した。また、東日本大震災における津波に
よる被災状況や実際に救助を行った消防隊員などか
らのニーズに基づき、がれきを走破するための装置
を試作、走破実験を行い、がれきの上を走破するた
めに必要な技術的課題を明らかにした。さらに、平
成25年度の実証実験に向けて消防車、救助工作車、
救急車のプロトタイプ車両の製作を行った(

ともに、より安全かつ効果的に消火活動を実施で
きるようにするための活動基準を考案することを
目指している。

(イ) サブテーマ「津波浸水域における消防活動

用車両等の研究」

東日本大震災では、津波で浸水した地域に消防

隊員が進入することが極めて困難であったことな
どから、津波浸水域における消火・救助活動が難
航した。このため、今後我が国に起こり得る大震
災への備えとして、津波浸水域にも進入できる消
防用車両等や津波浸水域における要救助者を速や
かに発見する技術などが必要と考えられる。この
サブテーマでは、〔1〕津波で浸水し、がれきが
堆積しているような地域においても、消火・救助
活動を安全かつ円滑に実施することを可能とする
消防用車両等が有すべき機能・性能を具体的に示
すこと、〔2〕要救助者を速やかに発見するため、
無人ヘリコプター等により周囲の状況を把握する
技術を開発することを目指している。

(ウ) サブテーマ「がけ崩れでの活動における二

次災害防止機器の研究」

豪雨や地震を契機としたがけ崩れは、我が国で

は避けることのできない災害であり、万一の生き
埋め者の発生に備えることは重要である。がけ崩
れによる生き埋め者の救助活動では、更なるがけ
崩れが起きて救助活動を行う者に二次災害が生じ
るおそれの有無に注意する必要がある。現在、が
け崩れの前兆があるかどうかを素早くかつ広い範
囲にわたって監視する方法はない。このため、こ
のサブテーマでは、無人ヘリコプター等を活用し
てがけの変形を素早く広範囲に監視するシステム
の開発を目指している。

消防ンターにおける平成23年度かの開発

1消防活動の安全確保のための研究開発

消防隊員が消火、救急、救助活動を安全かつ的確に行えるようにするため、消防用個人装備の技術基準の作成を目的とした研究、土災害時の救助活動

の際に二次災害の危険性を的確に予測する機器の研究開発及び救急活動中のAED不具合の発生要因分析と改善策の検討を行う。また、東日本大震災を

受け、津波被災地域など不整地への進入が可能な消防車両に関する研究及び無線ヘリ等を用いた察技術の開発を行う。

2危険性物質と危険物施設の安全性向上に関する研究

大地震発生時の大規模危険物施設の被害を予防・軽減するために、石油タンクの津波による損傷の発生メカニム及び防止策の研究と石油コンビ

ナート地域のれをより高い精度でよりきめ細かく予測する方法の研究を行う。また、再生資源燃料の火災を予防するため、再生資源燃料等の火災危険

性を評価する方法の研究を行うとともに、タンク火災や再生資源燃料等の火災に最適な消火技術を開発する。

3大規模災害時の消防力強化のための情報技術の研究開発

大規模地震や大津波の発生時における応急対応を迅速かつ適切に実施するために、発災直後に被害の状況を予測・把握する技術の研究開発を行う。

また、

に起こるとはいえない大規模災害発生時において、防災担当者が適切な対応を行えるようにするため、過去の災害に基づいて意思決定の要件

を整理し、災害時対応方法を理解・習得できる模訓練技術を開発する。

4多様化する火災に対する安全確保に関する研究

火災による人的・物的被害の低減のために、火災調査の事例等から火災の実態分析、様々な可燃物の燃焼性状の把握、火災警術、消防隊員による消火活

動時に現場情報を把握する技術の研究を行う。また、地震や津波の後に発生する火災の出火原因や延焼要因の把握、今後普及が見まれる再生可能エネ

ルギー発電装置等の火災危険性に関する研究を行う。

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