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)。

ア ・

本研究課題では、東日本大震災において石油類等

の危険物の貯蔵・取扱いを行う危険物施設が津波や
地震動で多数被災したこと、我が国では今後もなお
大地震の発生が危惧されていること、環境保護への
取組が進められる中で、火災危険性がよくわからな
い物質やいったん火災が発生すると消火が困難な物
質が普及するなど防火安全上の課題が生じているこ
とを踏まえ、危険性物質と危険物施設の安全性の向
上を目指して、次の四つのサブテーマを設け、5年
間の計画で研究開発を行っている。

(ア) サブテーマ「石油タンクの津波による損傷

メカニズム及び発生防止策の研究」及びサブ
テーマ「巨大地震による石油コンビナート地
域における強震動予測及び石油タンク被害予
測の研究」

東日本大震災では、数多くの石油タンクや配管

が津波で押し流されたり、損傷したりする甚大な
被害が発生した。このような石油タンク等危険物
施設の大規模な津波被害は、我が国では初めての

ことである。また、危険物の大量流出や火災には
至らなかったものの、地震動の影響で石油タンク
が損傷する被害も発生した。

地震・津波発生時の危険物施設の健全性の確保

は、被害拡大の視点からのみならず、被災地にお
ける災害救助活動、避難生活に必要となる石油類
等エネルギーの供給維持にも不可欠であること
が、東日本大震災でも示された。石油タンク等危
険物施設の津波・地震動被害の予防・軽減対策の
確立は、南海トラフ地震や首都直下地震等の発生
が危惧されている状況の中で、なお一層その重要
性を増している。

このようなことから、サブテーマ「石油タンク

の津波による損傷メカニズム及び発生防止策の研
究」では、津波による石油タンクの被害発生メカ
ニズムの解明、それに基づく被害予防・軽減対策
の考案及び対策による効果の評価を目指してい
る。また、サブテーマ「巨大地震による石油コン
ビナート地域における強震動予測及び石油タンク
被害予測の研究」では、石油タンクの揺れによる
被害を予防・軽減するためのより的確な対策案を
立てられるよう、石油コンビナート地域等におけ
る強震動の予測をより精度よく、きめ細かに行え
るようにすることを目指している。

消防車、救助車、救急車のトタ車

消防車(放水状況)

救急車

消防車

救助工作車

消災の学技の・発


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