ワーク構築のモデル実験を開始した。
サブテーマ「熱画像を活用した再燃火災の発生防
止に関する研究」では、赤外線カメラが残火を探す
作業の効率化にどのように寄与できるか調べるため
に、天井裏を想定した空間を作り、その中に残火を
模擬して、電気ヒーターを設置し、天井裏にある残
火を探す作業を模擬した実験を行った。電気ヒー
ター(出力100W)で加熱を開始してから21分後
に、断熱板の下面の温度は17℃から33℃に上昇し
た状態では、素手で断熱板の下面に触っても温度の
高い場所は容易にとらえられなかったが、赤外線カ
メラで撮影した熱画像では、周囲より温度の高い場
所が視覚的にとらえられるのがわかった(
第7
)。
2
火災原因調査等及び
災害・事故への対応
ア 火災原因査及び危険物流出等の事故原因査
等の実施
消防防災の科学技術に関する専門的知見及び試験
研究施設を有する消防研究センターは、消防庁長官
の火災原因調査及び危険物流出等の事故原因調査
(消防法第35条の3の2及び第16条の3の2)を
実施することとされており、大規模あるいは特殊な
火災・危険物流出等の事故を中心に、全国各地にお
いてその原因調査を実施している。また、消防本部
への技術支援として、原因究明のための鑑識
*1
、
鑑定
*2
、現地調査を消防本部の依頼を受け共同で実
施している。
平成24年4月以降に実施した火災原因調査等は
第3表
のとおりである。また、平成24年度に
火災原因査及び危険物流出等の事故原因査の現地査実施事案一覧(平成24年4月以降に査実施したもの)
N.調査区分
出火日
(発災日)
場所
施設名称等
概 要
現地
出向者数
1
H24.4.19大阪府堺市
金属精錬工場
現場見分に係る技術支援(火災)
金属精錬中に発生したヒュームがらかの火源により爆発したと推
定されるもの。
4人
2長官調査
()H24.4.22山口県和木町
三井化学(株)岩国工場
消防庁長官による火災原因調査
緊急シャットダウン中にらかの原因により反応釜が爆発し、周辺
プラントの火災、飛散物や爆風により周辺にも多大な被害が生じた
もの。死者1名、負傷者22名。
26人
3長官調査
(自主)H24.5.13広島県福山市
ホテルプリンス
消防庁長官による火災原因調査
RC造一部木造の4階建てのホテルで火災が発生したもの。死者7名、
負傷者3名。
26人
4
H24.5.24新潟県南魚沼市
トンネル内爆発
現場見分に係る技術支援(火災)
休中のトンネル工事現場内でらかの原因で爆発が発生したも
の。死者4名、負傷者3名。
5人
5
H24.7.21大阪府堺市
製油所
危険物流出等事故調査
重油送油ポンプのシール部から油が漏したもの。
6人
6長官調査
()H24.9.29兵庫県姫路市
(株)日本触媒姫路製造所
消防庁長官による火災原因調査
アクリル酸混じりの廃液を一時貯蔵するタンクの異常な温度上に
より爆発上したもの。死者1名、負傷者36名。
16人
7
自主
H24.11.7沖縄県うるま市
屋外タンク貯蔵所
危険物流出等事故調査
容量10万kLの原油タンクの浮き屋根が沈没し、油が漏したもの。
1人
8長官調査
(自主)H25.2.8長崎県長崎市
グループホーム
ベルハウス東山手
消防庁長官による火災原因調査
鉄骨造一部木造の4階建てのグループホームで火災が発生したもの。
死者5名、負傷者7名。
8人
9長官調査
(自主)H25.8.15京都府福知山市
花火大会火災
消防庁長官による火災原因調査
天商店舗が発電機に使用していたガソリンの火災により、死傷者
が発生したもの。死者3名、負傷者56名。
16人
10長官調査
(自主)H25.10.11福岡県福岡市
診療所火災
消防庁長官による火災原因調査
鉄コンクリート造地上4階・地下1階の診療所の1階から出火し、多
数の死者が発生したもの。死者10名、負傷者5名。
5人
(備考) :消防本部等から消防研究センター所長へのに基づく調査
自主:消防研究センターの自主的調査
長官調査():消防本部等から消防庁長官へのに基づく調査
長官調査(自主):消防庁長官の主体的判断による調査
*1鑑識:火災の原因判定のため具体的な事実関係を明らかにすること
*2鑑定:科学的手法により、必要な試験及び実験を行い、火災の原因判定のための資料を得ること
消災の学技の・発
第
章
252