このような背景の下、消防庁においては、平成

24年6月から「地方公共団体における災害情報等
の伝達のあり方等に係る検討会」を開催し、同年8
月には、地方公共団体における住民に対する災害情
報伝達手段の整備に関する基本的な考え方について
中間取りまとめが行われた。さらに24年12月には

「地方公共団体における災害情報等の伝達のあり方

等に係る検討会報告」が取りまとめられた。

この報告においては、災害時において、住民の

安全の確保を図るため、住民に対して災害関連情報
を確実かつ迅速に伝達することが極めて重要である
ことから、〔1〕情報伝達手段の多重化・多様化の
推進(

特集

3

)、〔2〕迅速性に優れた情報伝

達手段の確保、〔3〕訓練・試験及び点検・改の
充実を図ることとし、全ての市町村において、ア
ラートによる自動起動が可能な情報伝達手段を確保
することなどが求められている。

平成24年度には、非常電源の充実等による災害

性の強化や、多様な情報伝達手段の活用、様々なメ
ディアとの連携等について検証を行い、これらの結
果を踏まえ、平成25年3月末に、「災害情報伝達手
段の整備に関する手引き」が取りまとめられた。ま
た、地方公共団体の住民への情報伝達手段の整備を
支援するため、当該市町村に適切なアドイスを行
う専門家の派遣を行う「災害情報伝達手段に関する
アドイー派遣事業」を平成25年度に実施した。

本事業において、アドイーは、する地方

公共団体に対し、災害情報伝達手段に係る技術的
提案及び助言、災害情報伝達手段システムの運用
に係る提案及び助言、整備スケジュール等の提案
及び助言、災害情報伝達手段の多様化、多重化の
重要性に係る提案及び助言、その他地方公共団体
の要に対する提案及び助言を行うことにより、派
遣先地方公共団体における、災害情報伝達手段の多
重化・多様化を支援するものである。

とから、東日本大震災においても地方公共団体から
住民への大津波警報や避難の呼びかけなど災害情報
伝達の手段として有効に活用された。

例えば、アラートと連携させ、自動的に市町村

防災行政無線(同報系)から放ができる仕組みを
構築していた手県洋野町、宮県東島市、福島
県新地町等においては、本震の直後で混している
状況の中で自動的に市町村防災行政無線(同報系)
を起動させて大津波警報の第1報を放できたこと
は住民の避難を図る上で非常に有効であった旨の報
告が当該市町村よりなされている。また、福島県新
地町においては、アラートによる第1報の放が
通常となる音声(性の合成音声)であったた
め、常な事態であることがすにわかったという
住民の声があったと報告されている。一方、沿地
を中心として地震の揺れや津波による壊・破損や
電源失等により、アラートや市町村防災行政無
線(同報系)等の情報伝達手段が利用できなくなり
情報伝達に支が生じた例もあった。

このため、市町村防災行政無線(同報系)の未整

備地における早急な整備をはじめ、アラートと連
携して情報伝達手段を自動的に起動できる仕組みの
構築や設備の震化、無線の非常用電源の容量確保
等の災害性の向上、デジタル化による方向通信
の確保等の高度化等を図ることが必要である。また、
住民に災害情報を確実に伝達するため、市町村防災
行政無線(同報系)に限らず、コミュニティ放、
緊急速報メール等の活用による災害情報伝達手段の
多重化・多様化を進めることが重要となっている。

市町村防災行政無線(同報系)については、防災

基盤整備事業において政支援を講じてきたところ
であり、平成23年度正予算(第3号)では避難
所となる学校や等と市町村庁において方向
通信を可能とする市町村防災行政無線(移動系)等
を整備するための経費について助金による予算
置を講じた。また、平成23年12月に創設された

「緊急防災・減災事業(単独)」において、市町村防

災行政無線の設置・更新も対象とし更なる支援を充
実させてきた。

39