に基づく消防機関の行う検査により、消防法令の基
準の守状況が優良なものとして認定された場合に
は、3年間点検・報告の義務がされる。
なお、防火対象物が、防火対象物点検資格者に
よって点検基準に適合していると認められた場合は
「防火基準点検済証」を、消防機関から消防法令の
基準の守状況が優良なものとして認定された場合
は「防火優良認定証」をそれぞれ表示することがで
きる。
4
防災制度
消防法では、切迫する大地震等の危険に対応する
ため、平成19年6月の消防法改正により、大規模・
高層建築物等の管理について権原を有する者(以下
「管理権原者」という。)に対して、地震災害等に対
応した防災管理に係る消防計画
*8
を作成し、地震発
生時に特有な被害事象に関する応急体制や避難の訓
する防火対象物の管理権原者に対して、火災の予防
に関して専門的知識を有する者(「防火対象物点検
資格者」をいう。)による点検及び点検結果の消防
機関への報告を義務付けている。
この防火対象物点検資格者は、消防用設備等の工
事等について3年以上の実務経験を有する消防設備
*7
や、防火管理者として3年以上の実務経験を有
する者など、火災予防に関し一定の知識を有する者
であって、総務大臣の録を受けた法人が行う講
の課程を了し、防火対象物の点検に関し必要な知
識及び技能を得したことを証する類の交付を受
けた者である。
防火対象物点検資格者は、新しい知識及び技能を
得する必要があるため、5年ごとに再講を受講
することを義務付けられている。
平成25年3月31日現在、防火対象物点検資格者
の数は2万6,134人となっている。
また、防火対象物定期点検報告が義務となる防火
対象物のうち、管理を開始してから3年間以上継続
しているものは当該防火対象物の管理権原者の
*7消防設備:消防用設備等に関して専門的知識を有する者として、消防設備状の交付を受けている者
*8防災管理に係る消防計画:防災管理上必要な事項を定めた計画であり、防災管理者は当該計画を作成するとともに、本計
画に基づいて防災管理業務を行するものである。
全国の防火管理実施状況
(平成25年3月31日現在)
項 目
防火対象物の区分
防火対象物数
協議事項届出対象物数
届出率(%)
(一)
イ
劇場等
20
16
80.0
ロ
公会堂等
158
41
25.9
(二)
イ
キャバレー等
60
33
55.0
ロ
遊技場等
72
51
70.8
ハ
性風俗特殊営業店舗等
39
27
69.2
ニ
カラオケボックス等
19
11
57.9
(三)
イ
料理店等
11
1
9.1
ロ
飲食店
2,516
1,665
66.2
(四)
百貨店等
804
552
68.7
(五)
イ
旅館等
186
118
63.4
(六)
イ
病院等
212
132
62.3
ロ
特別養護老人ホーム等
97
60
61.9
ハ
老人デイサービスセンター等
154
90
58.4
ニ
幼稚園等
16
5
31.3
(九)
イ
特殊浴場
72
57
79.2
(十六)
イ
特定複合用途防火対象物
56,529
40,081
70.9
ロ
非特定複合用途防火対象物
8,459
5,868
69.4
(十六の二)
地下街
50
49
98.0
(十六の三)
準地下街
4
3
75.0
高層建築物
17,136
11,908
69.5
合 計
86,614
60,768
70.2
(備考) 1 「防火対象物実態等調査」により作成
2 高層建築物(高さ31メートルをえる建築物)は、消防法施行令別表第一において区分されているものではない。また、高層建築物に該当する防火
対象物は、
「防火対象物数の区分」中、
「高層建築物」の欄に計上
3 東日本大震災の影響により、岩手県陸前高田市消防本部及び福島県双葉地方広域市町村圏組合消防本部のデータは除いた数値により集計している。
第1 火災予防
災のと
第
章
64