令和元年版 消防白書

2.火山災害の特徴と課題等

我が国には111の活火山が存在している。火山災害に結び付く危険性が高い火山現象は、噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、降灰、降灰後の土石流、火山ガス、山体崩壊及びそれに伴う津波など多岐にわたる。火山は、一たび噴火すると甚大な被害をもたらすことがあり、日本は有史以来数多くの火山噴火災害に見舞われている。
近年において、特に被害の大きかった火山災害の事例として、平成26年9月に発生した御嶽山噴火災害がある。この噴火災害の特徴は、予測困難な水蒸気噴火が突如発生したことであり、これにより火口周辺の多くの登山者が被災した。この災害の教訓として、住民のみならず、登山者を対象とした警戒避難体制の整備が必要であることや、噴火の兆候となる火山現象の変化をいち早く捉え、伝達することが重要であることなど、火山防災対策に関する様々な課題が改めて認識されることとなった。
一方、平成27年5月に発生した口永良部島噴火では、負傷者1人は発生したものの、噴火直後から消防団員による安否確認や避難誘導等が行われたことにより、迅速に住民及び一時在島者全員の避難を完了している。この災害では、地形等を熟知した消防団員の活動や事前に作成していた安否確認用の名簿の活用、また日ごろからの訓練の実施等、高い防災意識による行動が被害の抑止につながった。

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