令和元年版 消防白書

[国際協力・国際交流]

1.国際消防防災フォーラムの開催

近年アジア諸国では、経済発展・都市化が進む中、これまで以上に高度な消防・防災体制の構築が必要とされている。このため、人命救助、消火及び火災予防の技術や制度に関しても、これらの国々からの我が国の国際協力への期待は大きい。
このことを踏まえ、消防庁では主にアジア圏内の国において、平成19年度から「国際消防防災フォーラム」を開催している。これは、我が国の消防制度、技術等を広く紹介し、開催国の消防・防災能力の向上を目指すものである。フォーラムは、開催国で広く消防・防災関係者を集めて開催され、その内容は開催国の状況を勘案して、適宜決められる。
平成30年度はフィリピンにおいて、同国の内務自治省消防局や地方自治体の危機管理部局の職員などの参加を得て開催され、我が国の消防団制度や予防行政、消防設備等の規格・認証制度が紹介されたほか、CBRNE*3事案対応について情報の共有が行われた。

国際消防防災フォーラム(平成30年度フィリピン)
国際消防防災フォーラム
(平成30年度フィリピン)

また、フォーラムを我が国の消防・防災インフラシステムの海外展開を推進する場としても活用すべく、当日は、日本企業による消防・防災製品の紹介や展示の場を設け、同国の内務自治省消防局等に加え、消防・防災製品を取り扱う現地企業等も招いた。
令和元年度は2月にタイのバンコクで、我が国の消防団制度や消防設備等の規格・認証制度、我が国消防の先進的な取組み等について紹介するとともに、日本企業による消防・防災製品の紹介や展示の場を設けることを予定している。

*3 CBRNE:化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear)、爆発物(Explosive)の頭文字をつなげた略語。

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