実家の近くに交通事故が多発する道路があり、両親が通報する姿を度々目にしていました。
幼いとはいえ自分では何もできず悔しかったことを覚えています。
そんな環境から「みんなが安全に安心して暮らせるのは、何より幸せなことではないか」と強く思い、まちの安心・安全に貢献できる消防士を志望。
同級生の母親が消防署に勤務しているという話を聞き、女性の仕事としての存在を知りました。
2人の子どもの出産・子育てをきっかけに、予防課で毎日勤務を行っています。
「予防課査察係」とは、火災から命や財産を守るために、防火管理に関する届け出の対応や市民相談、立入検査を行い、市民の皆様に「自主防火」「防火管理」の大切さを伝える仕事です。
重大な違反のある建物があれば、改善していただくように指導。
このように火災を未然に防ぐことも消防の使命です!
心肺停止の傷病者に処置を行った際、結果として命を救えず悔しく思う私に、ご家族が涙を流しながら「本当にありがとうございました」と言ってくださったことがありました。
でもたとえ傷病者が助かった事案であっても悔しさはつきもので、次に活かすべき反省材料が生まれます。
無事に出動を終えた時は「よかった」と思いますが、「満足や感動」を味わったことはないですね。
救急の現場では、女性の傷病者に対応や問診を行うときに配慮が必要な場合があるので、男女の隊員がいればチームとしてより良い救命活動が可能です。また市民のニーズに応えるために、女性の視点や意見を伝えられることも強みだと思います。
でも大切なことは「人」対「人」。男女にこだわらず対話を大切にして、質の高いサービスにつなげていきたいですね。
明るく元気、体が丈夫で幼稚園から高校まで皆勤賞でした!「人生に無駄はない」と考え、どんな回り道や困難、悔しい想いも必ず自分の礎になると信じて日々奮闘中です。
どんな状況も乗り越えていこうとする性格で、最後の最後の一瞬まで粘って最良の判断をしたいと考えています。
また間違いはきっぱり注意するので、仲間からは「みんなのお母さん」と言われることもあります(笑)。
消防という仕事は生命・身体・財産を守る誇りとやりがいに満ちた仕事です。女性はまだまだ少ない職場ですが、その中で女性が活躍するには、出来ないことを不安に思うより女性だからこそ出来ることも沢山あるので、自分の目指す消防士の姿に向かってチャレンジし続けることが大切だと思います。
今は仕事・育児・家庭の両立のため、時間を最大限活かして「予防課査察係」という専門性を磨いています。
将来のために経験を積むこと、これが今の最大の目標ですね。
いずれは警防課・予防課の経験を活かし、消防の総合力を職員に伝える指導的な立場を目指したいです。
また子育て、育児の経験も活かし、男女問わず働きやすい環境づくりもサポートしたいと思っています。
※記事・プロフィールは取材当時のものです。