告示

特定防災施設等に対する定期点検の実施方法

昭和五十一年七月十四日
消防庁告示第八号
改正 昭和五五年二月消防庁告示第一号、平成九年三月第五号、平成二六年三月第八号、平成二七年一〇月第一四号

石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令(昭和五十一年自治省令第十七号)第十五条第三項の規定に基づき、同条第一項の点検の実施方法を次のとおり定める。

特定防災施設等に対する定期点検の実施方法

特定事業者は、特定防災施設等(代替施設等を含む。)に対する外観点検、機能点検及び総合点検を、それぞれ一年に一回以上、次の方法により実施するものとする。

一 外観点検の実施方法

(一) 流出油等防止堤
ア 鉄筋コンクリート造りの防止堤
(ア) 本体又は基礎部付近に破損、亀裂、倒壊、陥没、貫通穴等がないかどうかを確認すること
(イ) 伸縮継手に著しい腐食がなく、目地部分等に漏油のおそれがある間隙がないかどうかを確認すること。
(ウ) 水抜弁、排水溝等の開閉弁又は門扉(以下「水抜弁等」という。)に土砂等のつまり、著しい腐食等がなく、かつ、開放された状態になっていないかどうかを確認すること。
(エ) 流出油等防止堤(以下「防止堤」という。)内に防止堤の容量を減少させるような物件がないかどうかを確認すること。
イ 土盛りの防止堤
(ア) 本体又は基礎部付近に破損、亀裂、崩壊、陥没、貫通穴等がないかどうかを確認すること。
(イ) コンクリート、コンクリートブロック、アスファルト、芝生等の被覆材に欠損等がないかどうかを確認すること。
(ウ) 水抜弁等に土砂等のつまり、著しい腐食等がなく、かつ、開放された状態になつていないかどうかを確認すること。
(エ) 防止堤内に防止堤の容量を減少させるような物件がないかどうかを確認すること。

(二) 消火用屋外給水施設
ア 水槽等
(ア) 変形、損傷、著しい腐食等がないかどうかを確認すること。
(イ) 水量は、規定量以上が確保されているかどうかを確認すること。
(ウ) ごみ等による給水障害を防止するための措置が講じてあるかどうかを確認すること。
イ 加圧ポンプ
(ア) ポンプ、軸継手等に変形、損傷又は著しい腐食がないかどうかを確認すること。
(イ) 起動装置の操作部の周囲に使用上障害物がないかどうかを確認すること。
(ウ) 基礎ボルト等のゆるみ、破損等がないかどうかを確認すること。
ウ 配管
 変形、損傷、漏水等がなく、バルブ類の開閉状態が適正であるかどうかを確認すること。
エ 消火栓
 吸管接続口内に土砂等のつまりがないかどうかを確認すること。
オ 予備動力設備
 変形、損傷等がないかどうかを確認すること。

(三) 非常通報設備
ア 操作部の周囲に使用上障害物がないかどうかを確認すること。
イ 変形、損傷等がないかどうかを確認すること。

二 機能点検の実施方法

(一) 防止堤
ア 洗堀による崩壊等のおそれがないかどうかを確認すること。
イ 水抜弁等の開閉機能に異常がないかどうかを確認すること。

(二) 消火用屋外給水施設
ア 加圧ポンプ
(ア) 駆動機が電動機である場合
 (1) 回転軸の軸受部の潤滑油に著しい汚れ、変質等がなく、回転が円滑であるかどうかを確認すること。
 (2) 軸継手に変形、損傷等がないかどうかを確認すること。
(イ) 駆動機が内燃機関である場合
 (1) 燃料、冷却水、潤滑油等が必要量満たされているかどうかを確認すること。
 (2) 蓄電池の電解液に著しい汚れがなく、電解液が規定量満たされており、端子電圧が適正であるかどうかを確認すること。
 (3) 冷却装置、給排気装置等の機能が正常であるかどうかを確認すること。
(ウ) ポンプ部分
 (1) ポンプと動力源との連結部にゆるみ等がないかどうかを確認すること。
 (2) 圧力計等の計器に、損傷等がないかどうかを確認すること。
(エ) 起動装置
 スイッチ類に、損傷等がなく、機能が正常であるかどうかを確認すること。
イ 配管
(ア) 開閉弁が確実に開閉できるかどうかを確認すること。
(イ) 凍結防止措置として講じられている設備等に損傷等がないかどうかを確認すること。
(ウ) 設置の日から四十年を経過した配管にあつては、当該配管に送水する加圧ポンプの締切圧力(当該加圧ポンプに逃がし弁が備え付けられているものにあつては当該逃がし弁が作動した場合における最高圧力)に等しい水圧を加え、かつ、十分間静置した場合において、当該配管に変形、損傷又は漏水がないかどうかを確認すること。

(三) 非常通報設備
ア 通話可能な状態であるかどうかを確認すること。
イ 蓄電池等の機能が正常であるかどうかを確認すること。

三 総合点検の実施方法

(一) 防止堤
ア 防止堤内に流出油等が堤外に漏えいするおそれがないかどうかを確認すること。
イ 防止堤内に火気使用施設が設置されている等危険な状態となっていないかどうかを確認すること。

(二) 消火用屋外給水施設
ア 加圧ポンプが正常に作動するかどうかを確認すること。
イ 加圧ポンプが運転中に不規則若しくは不連続な雑音又は異常な振動がないかどうかを確認すること。
ウ 設置の日から四十年を経過した加圧ポンプにあつては、常用の動力設備による運転及び予備動力設備による運転により、当該加圧ポンプの定格吐出量(当該ポンプに表示されている吐出量をいう。)における全揚程が定格全揚程(当該ポンプに表示されている全揚程をいう。)以上となるかどうかを確認すること。
エ ろ過装置に変形、損傷等がないかどうかを確認すること。
オ 任意の消火栓(設置の日から四十年を経過した加圧ポンプを使用する場合にあつては、当該加圧ポンプからの圧力損失が最大となる消火栓)により放水し、放水圧力及び放水量が適正であるかどうかを確認すること。この場合において、寒冷の度の著しい地域にあつて、配管を地下に設置するものにあつては、寒冷時に実施すること。
カ 寒冷の度の著しい地域にあつて、鋼製の配管(合成樹脂製の管と接続する場合を除く。)を地下に設置するものにあつては、漏水を検知できる計器等により、漏水がないかどうかを確認すること。

(三) 非常通報設備
ア 配線と各機器端子との接続部にゆるみ等がないかどうかを確認すること。
イ 即時通報がいかなる時期においても確保される体制になつているかどうかを実地に確認すること。