不活性ガス消火設備等の放出弁の基準
平成七年一月十二日
消防庁告示第一号
改正 平成一一年九月消防庁告示第七号、一二年五月第八号、一三年三月第一五号
消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第十九条第四項第十号、第二十条第四項第四号ロ、同条第五項、第二十一条第四項第三号ニ、同項第七号ホ(ヘ)及び同条第五項の規定に基づき、二酸化炭素消火設備等の放出弁の基準を次のように定める。
不活性ガス消火設備等の放出弁の基準
題名...改正〔平成一三年三月消告一五号〕
第一 趣旨
この告示は、消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号)第十九条第五項第十号、第二十条第四項第四号ロ、同条第五項、第二十一条第四項第三号ニ、同項第七号ホ(ヘ)及び同条第五項に規定する不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備及び粉末消火設備の放出弁の基準を定めるものとする。
第二 構造及び機能
放出弁の構造及び機能は、次に定めるところによる。
一 常時閉止状態にあって、電気式、ガス圧式等の開放装置により開放できるもので、かつ、手動によっても容易に開放できるもの(開放装置を手動により操作するものを含む。)であること。
二 手動により操作する部分(開放装置を操作する部分を含む。)には、操作の方向又は開閉位置を表示すること。
三 使用時に破壊、亀裂等の異常を生じないものであること。
四 管との接続部は、管と容易に、かつ、確実に接続できるものであること。
五 粉末消火設備に用いるものにあっては、仕切弁及び玉形弁その他これらに類するもの以外のものであること。
六 ほこり又は湿気により機能に異常を生じないものであること。
七 弁箱の外表面は、なめらかで、使用上支障のある腐食、割れ、きず又はしわがないものであること。
第三 材質
放出弁の材質は、次に定めるところによる。
一 弁箱は、次のいずれかに適合するものであること。
(一)JIS(工業標準化法(昭和二十四年法律第百八十五号)第十七条第一項の日本工業規格をいう。以下同じ。)H三二五〇、H五一二〇、H五一二一、G三二〇一(不活性ガス消火設備に用いる場合を除く。)又はG五一五二(不活性ガス消火設備に用いる場合に限る。)
(二)(一)に掲げるものと同一又は類似の試料採取方法及び試験方法により化学的成分及び機械的性質が同一又は類似しているもの
(三)(一)又は(二)に掲げるものと同等以上の強度及び耐食性を有するもの
二 さびの発生により機能に影響を与えるおそれのある部分は、有効な防錆処理を施したものであること。
三 ゴム及び合成樹脂等は、容易に変質しないものであること。
第四 耐圧試験
放出弁の耐圧試験は、次に定めるところによる。
一 弁箱は、二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち低圧式のものにあっては三・七五メガパスカル、その他のものにあっては最高使用圧力(蓄圧式の消火設備にあっては温度四十度における貯蔵容器又は貯蔵タンクの蓄圧全圧力、加圧式のハロゲン化物消火設備で圧力調整装置付のものにあっては二メガパスカルを超えない調整圧力、加圧式の粉末消火設備で圧力調整装置付のものにあっては二・五メガパスカルを超えない調整圧力、加圧式の消火設備(ハロゲン化物消火設備又は粉末消火設備で圧力調整装置付のものを除く。)にあっては加圧用ガスが消火剤貯蔵タンクに導入された状態での温度四十度における閉鎖圧力をいう。以下同じ。)の一・五倍の水圧力を二分間加えた場合、漏れ又は変形を生じないものであること。
二 弁を閉止した状態で弁の一次側に二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち低圧式のものにあっては三・七五メガパスカル、その他のものにあっては最高使用圧力の一・五倍の水圧力を二分間加えた場合に、損傷等を生じないものであること。
三 制御部(開放機構が弁箱内に組込まれたものをいう。以下同じ。)にあっては、当該制御部の最高使用圧力の一・五倍の水圧力を二分間加えた場合に、損傷等を生じないものであること。
第五 気密試験
放出弁の気密試験は、次に定めるところによる。
一 弁を開放した状態で、二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち低圧式のものにあっては二・三メガパスカル、その他のものにあっては最高使用圧力の窒素ガス圧力又は空気圧力を五分間加えた場合に、漏れを生じないものであること。
二 弁を閉止した状態で弁の一次側に二酸化炭素を放射する不活性ガス消火設備のうち低圧式のものにあっては二・三メガパスカル、その他のものにあっては最高使用圧力の窒素ガス圧力又は空気圧力を五分間加えた場合に、漏れを生じないものであること。
三 制御部にあっては、当該制御部の最高使用圧力値と同じ値の窒素ガス圧力又は空気圧力を五分間加えた場合に、漏れを生じないものであること。
第六 作動試験
放出弁の作動試験は、次に定めるところによる。
一 不活性ガス消火設備の放出弁は、液化二酸化炭素を弁の一次側に加えた状態で開放装置により操作した場合又は手動により操作した場合に、確実かつ円滑に開放するものであること。
二 ハロゲン化物消火設備の放出弁は、最高使用圧力及び最高使用圧力に〇・八を乗じた値の窒素ガス圧力又は空気圧力を弁の一次側に加えた状態で、開放装置又は手動により操作した場合に、確実かつ円滑に開放するものであること。
三 粉末消火設備の放出弁は、最高使用圧力及び最高使用圧力に〇・八を乗じた値の窒素ガス圧力又は空気圧力を弁の一次側に加えた状態で、開放装置又は手動により操作した場合に、確実かつ円滑に開放するものであること。
第七 等価管長
放出弁は、サイフォン部を含めて水により等価管長を測定した場合に、その値が次に掲げるところによること。
一 ボール弁(フルボアのものを除く。)にあっては、五十メートル以下であること。
二 ボール弁以外のものにあっては、呼び径五十以下のものの場合には五十メートル以下、呼び径六十五以上のものの場合には百メートル以下であること。
三 ボール弁のうちフルボアのものにあっては、呼び径及び鋼管の種別に応じ、次の表に掲げる値であること。
呼び径 | 鋼管の種別 | ||
---|---|---|---|
配管用炭素鋼鋼管 (JISG三四五二) |
圧力配管用炭素鋼鋼管 (JISG三四五四) スケジュール四十 |
圧力配管用炭素鋼鋼管 (JISG三四五四) スケジュール八十 |
|
十五 | 〇・一 | 〇・一 | 〇・一 |
二十 | 〇・二 | 〇・二 | 〇・二 |
二十五 | 〇・二 | 〇・二 | 〇・二 |
三十二 | 〇・三 | 〇・三 | 〇・三 |
四十 | 〇・四 | 〇・四 | 〇・四 |
五十 | 〇・五 | 〇・五 | 〇・五 |
六十五 | 〇・七 | 〇・七 | 〇・六 |
八十 | 〇・九 | 〇・八 | 〇・八 |
九十 | 一・〇 | 一・〇 | 〇・九 |
百 | 一・二 | 一・二 | 一・一 |
百二十五 | 一・六 | 一・五 | 一・四 |
百五十 | 一・九 | 一・九 | 一・八 |
(単位:メートル)
第八 表示
放出弁には、次に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないよう表示すること。
一 製造者名又は商標
二 製造年
三 耐圧試験圧力値
四 型式記号
五 流体の流れ方向(流れ方向に制限のない場合は除く。)
第三―第六...一部改正〔平成一一年九月消告七号〕、第一...一部改正〔平成一二年五月消告八号〕、第一・第三―第六...一部改正〔平成一三年三月消告一五号〕
附則
この告示は、平成七年四月一日から施行する。
附則〔平成一一年九月八日消防庁告示第七号〕
(施行期日)
第一条 この告示は、平成十一年十月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 1―5〔略〕
6 平成十一年十月一日において現に存する防火対象物若しくはその部分又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の防火対象物若しくはその部分における二酸化炭素消火設備等の放出弁のうち、第六条の規定による改正後の二酸化炭素消火設備等の放出弁の基準第四から第六までの規定に適合しないものに係る技術上の基準については、これらの規定にかかわらず、なお従前の例による。
7・8〔略〕
附則〔平成一二年五月三一日消防庁告示第八号〕
この告示は、平成十二年六月一日から施行する。
附則〔平成一三年三月三〇日消防庁告示第一五号〕
この告示は、平成十三年四月一日から施行する。