消防庁特殊災害室長

　石油コンビナート等特別防災区域に特定事業所を設置している特定事業者は、石油コンビナート等災害防止法に基づき、自衛防災組織又は共同防災組織(以下「自衛防災組織等」という。)を設置しなければならないこととされており、当該自衛防災組織等には、防災資機材等を備え、防災要員を置かなければならないこととされている。
　近年、これらの防災資機材等については、技術進歩等により、種々の装置・機械器具が付加されているものが開発されており、これらの中には、防災要員が行う防災活動における作業の省力化に資する装置・機械器具を有し、又は搭載した防災資機材等(以下「省力化された防災資機材等」という。)で、従来の防災資機材等よりも少ない人数の防災要員で運用が可能となるものがある。
　このような状況を踏まえ、一定の要件を満足する特定事業所の自衛防災組織等に一定の要件を満足する省力化された防災資機材等を備え付けた場合には、当該防災資機材等に置くべき防災要員の人数を自治省令で定める人数とすることができることを内容とする石油コンビナート等災害防止法施行令等(以下「政令等」という。)の改正を本年3月31日に行ったところである。
　この改正後の政令等の運用が適切に行われるためには、省力化された防災資機材等及びこれを使用する特定事業所が一定の要件等を満たすことに加え、この前提となっている防災要員がその運用に必要となる省力化された防災資機材等に係る知識、技能を備え、操作に習熟していることが必要である。したがって、市町村長等においては、省力化された防災資機材等について下記のとおり確認されるようお願いする。
　なお、危険物保安技術協会(以下「協会」という。)においては、省力化された防災資機材等を導入する特定事業所における適合性等について、特定事業者が市町村長等に届け出るにあたっての利便に供するとともに市町村長等の確認時の判断にも資するため、別添のとおり省力化された防災資機材等を自衛防災組織等に備え付けようとする者及び省力化された防災資機材等の製造者等からの申請に基づき、当該防災資機材等に係る評価を行い、あわせて当該省力化された防災資機材等の評価に関する情報を市町村長等に提供する予定である。
　これらの提供情報及び協会の評価を受けた特定事業者から市町村長等への届出時に提出される評価結果を市町村長等が確認を行う際に有効に活用することにより、当該事務の簡素・合理化及び統一的な運用にも資することが期待されるものである。
　貴職におかれては、その運用に遺漏のないよう配慮するとともに、貴管下市町村に対してもこの旨示達のうえ、よろしくご指導願いたい。

1　確認すべき事項

　(1)　装置・機械器具に関する事項
　　ア　省力化された防災資機材等が有し、又は搭載している防災要員の防災活動における作業の省力化に資する装置・機械器具が、「石油コンビナート等における特定防災施設等及び防災組織等に関する省令」(以下「省令」という。)に規定する要件を満足していること。
　　イ　省力化された防災資機材等が有し、又は搭載している防災要員の防災活動における作業の省力化に資する装置・機械器具が有効に機能しない場合においても、当該防災資機材等の運用が可能であること。

　(2)　特定事業所に関する事項
　　　特定事業所(省力化された防災資機材等を共同防災組織に備え付ける場合には、当該防災資機材等を使用するすべての構成事業所)が省力に規定する要件を満足していること。

　(3)　運用に関する事項
　　ア　省力化された防災資機材等につき置かれている防災要員が当該防災資機材等を用いて防災活動を行うために必要な知識、技能を有していること。
　　イ　省力化された防災資機材等を用いた防災活動を安全かつ迅速に行うことができること。

2　確認の方法等
　　特定事業者が、その特定事業所に係る自衛防災組織等に省力化された防災資機材等を備え付け、省令で定める防災要員を置いた場合には、石油コンビナート等災害防止法第16条第5項及び第19条第3項に基づき、特定事業者からの届出がなされるので、当該届出の添付資料により、防災要員の防災活動における作業の省力化に資する装置・機械器具及び特定事業所が必要な要件を満足していること等について確認すること。
　　また、立入検査等の機会に、当該省力化された防災資機材等が省令で定める人数により適切に運用がなされていること等について確認すること。