消防危第61号 エアゾール製品等の適正な保管について
消防危第61号 平成11年6月28日 都道府県消防主管部長 殿 消防庁危険物規制課長 危険物等の安全管理に係る指導については、日頃からご努力願っているところであるが、先般、別紙のとおり埼玉県においてエアゾール製品を大量に保管している倉庫で火災が発生した。 この倉庫には、約236 万本のエアゾール製品と合成樹脂等大量の可燃物が保管されていたため、火災によりエアゾール製品が連鎖的に爆発炎上し、当該倉庫及び同一敷地内の事務所が全焼するとともに、倉庫周辺約100m以上の範囲に大量のエアゾール製品が火を噴きながら飛散するなどの事態となり、鎮火まで約35時間を要した。 今回の火災では、倉庫周辺が水田であったため、敷地外建物への類焼や爆発等による負傷者はなく、また、消防隊員についても負傷はなかったが、市街地にある倉庫等で同様の火災が発生すれば、相当の被害が予想されるところである。 調査の結果、この倉庫に保管されていたエアゾール製品の内容物に含まれる薬剤は危険物に該当し、かつ指定数量を大幅に超えて貯蔵されていたにもかかわらず消防法第11条に基づく許可を受けていなかったこと、及び、当該エアゾール製品に噴射剤として使用されている液化石油ガスの総量が消防法第9条の2に規定する数量以上であったにもかかわらず消防機関に届出がなされていなかったことが判明した。 これらの消防法令違反の要因として関係者の消防法令に関する認識の不足もあるものと考えられることから、エアゾール製品等が大量に保管されているおそれのある倉庫等については立入検査を実施することなどにより実態を把握するとともに、当該製品等を保管する倉庫業者等の関係者に対し、下記事項に関して周知徹底を行うなど、火災発生の防止と保安管理の一層の徹底を図るよう指導されたい。 ついては、貴管下市町村に対してもこの旨早急に示達され、よろしくご指導願いたい。 なお、社団法人日本エアゾール協会、社団法人日本倉庫協会、社団法人日本ガス石油機器工業会、日本LPガス団体協議会及び社団法人全日本トラック協会あて別添のとおり通知しているので、念のため申し添える。 1 危険物に関すること (1) エアゾール製品の薬剤には、危険物に該当するものがあること。 (2) エアゾール製品の薬剤が危険物に該当する場合、消防法等の関係規定を遵守すべきこと。 例えば、同一場所において、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合は、消防法第11条により市町村長等の許可を受ける必要があり、当該施設における危険物の貯蔵又は取扱は同法第10条第3項の基準に従う必要があること。 また、同一場所において指定数量未満の危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合は、市町村の火災予防条例の規定を遵守すべきこと。 2 消防法第9条の2に関すること (1) エアゾール製品の噴射剤は、液化石油ガスを使用しているものが多いこと。 (2) エアゾール製品は、保管する液化石油ガスの量が合計で300kg以上になる場合に消防法第9条の2の規定に基づき消防機関への届出が必要であること。 (3) 液化石油ガスを充填したカセットボンベについても、保管する液化石油ガスの量が合計で300 kg以上になる場合は、消防法第9条の2の規定に基づき消防機関への届出が必要であること。
注)別添については、省略 |