通知・通達

消防予第140号 消火器の不適切な点検等の防止の徹底について

消防予第140号
平成11年6月11日
 
 各都道府県消防主管部長 殿
 
消防庁予防課長
 
 
消火器の不適切な点検等の防止の徹底について
 
消火器の不適切な点検等については、「消火器の不適切な点検等に係る情報の提供について」(平成9年12月1日付け消防予第186号。以下「186号通知」という。)等により、業者の手口、事例等の情報提供を行い、注意喚起を図っているところであるが、被害やトラブルを生じる事例が全国的に後を絶たない状況となっている。
今般、この状況にかんがみ、消火器の不適切な点検等の防止を徹底するための留意事項について、下記のとおりとりまとめたので通知する。
貴職におかれては、その運用に遺漏のないよう御配慮をお願いするとともに、貴都道府県内の市町村に対しても、この旨を通知されるようよろしくお願いする。
おって、財団法人日本消防設備安全センター(以下「安全センター」という。)からも、消防設備保守協会等に対して周知徹底が別途行われる予定である。
 
 
1 消火器の不適切な点検等に係る情報、対策の周知徹底
(1) 不適切な点検等を行う業者の手口は巧妙であり、消防法や刑事・民事上の違反を明確に特定することができないケースが多いことから、不適切な点検等に係る被害やトラブルの発生を未然に防止するためには、防火対象物の関係者自らによる予防策の徹底が第一であること。このため、査察や点検報告、各種の講習、行事等の機会をとらえ、186号通知の情報等について周知徹底を図ること。また、これに当たっては、安全センター作成のリーフレット(別紙1)を活用されたいこと。
(2) 受付社員等に話しを持ちかけ、(内容を十分確認する前に)契約書に署名又は捺印をさせることにより、契約が成立していることを主張する事例がほとんどであることから、次のような対策について、防火対象物の関係者に徹底を図ること。
ア 出入りの業者であるかどうかを身分証明書の提示等により確認すること。
イ 契約書その他の書類の内容をよく確認し、不用意に署名又は捺印をしないこと。
ウ 安易に点検実施を了承しないこと。また契約内容等に疑義がある場合は、点検を拒否すること。
エ 点検実施に当たっては、防火管理者等の責任者が立ち会うこと。
オ 不適切な点検が実施された場合や不当に高い点検手数料を請求された場合等にあっては、その場での支払いは避けること。また、居直る等、対応が困難な場合にあっては、警察機関等への通報、相談等を行うこと。
(3) 不適切な点検を行う業者に対して迅速・的確な対応を図るため、防火対象物の関係者、消防機関、警察機関の間の十分な連携を図ること。
 
2 消火器の不適切な点検等に係る違反処理の的確な履行
消火器の不適切な点検等を行う業者の消防設備士及び消防設備点検資格者について、消火器の全数持ち去りに係る代替措置の未実施や粗雑な点検の実施等といった消防法令違反の特定に係る具体的な事実調査を行い、消防設備士の不適正な点検については「消防設備士免状の返納命令に関する運用の基準の策定について」(平成4年7月1日付け消防予第136号)により、消防設備点検資格者の不適正な点検については「消防設備点検資格者の資格喪失に係る運用について」(平成10年3月21日付け消防予第44号)により、それぞれ厳正な行政措置を講じること。また、これに当たっては、別紙2の事例等を参考とされたいこと。
 
 
注)別紙1・2については、省略