通知・通達

消防危第91号 消防法に基づく危険物規制事務の自治事務化に伴う条例制定について

消防危第91号
平成11年9月30日
 
 
 各 都 道 府 県 消 防 主 管 部 長  殿
 
 
消防庁危険物規制課長
 
 
消防法に基づく危険物規制事務の自治事務化に伴う条例制定について
      
消防法に基づく危険物規制事務が平成12年4月1日より自治事務となること、及び地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律による改正後の地方自治法第14条第2項において「義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。」とされたことから、従来市町村長等の規則等で定めてきた事項を条例で定める必要があるか否かについての照会が多数寄せられているところです。
法令の範囲内における条例制定については、本来各地方公共団体の判断によるべき事柄ではありますが、条例化の必要性についての考え方を下記のとおりまとめたので、参考にして下さい。
また、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いします。
 
 
1.危険物規制に係る技術基準等については、全国統一的な取扱いが必要であることから、従来どおり政令等で定めることとされたこと。(平成11年8月12日付消防危第73号参照)
 
2.地方公共団体が行う事務に係る手数料に関する事項については、地方自治法に基づく条例で定める必要があること。(平成11年8月12日付消防危第73号参照)
 
3.製造所等の設置許可等、消防法令で既に義務が課されているものについて、当該事務の実施のために必要な細則を定めることは、国民に対して新たな義務を課すものではないので、条例で定める必要はないと考えられること。
 
  例:消防法第11条第1項に基づく製造所等の設置許可に係る審査基準
    消防法第11条第5項に基づく仮使用の承認の手続き
    製造所等における軽微な変更工事について、消防法第11条第1項後段の変更許可が必要か否かが明らかでない場合に、市町村長等が当該判断をするために必要な最小限の資料を提出させること。
4.市町村長等が消防法第16条の5に基づき資料提出や報告を求めることは、危険物の貯蔵又は取扱いに伴う火災の防止のため必要があると認められる場合に限られることは当然であるが、他方、個別的・具体的な火災危険性があることまで要するものではなく、製造所等に係る火災防止のため一般的に把握しておく必要があると認められる事項について、同条に基づき、公示性のある市町村長等の規則等によって資料提出等を求めることは可能であること。
なお、事業者等の負担等を考慮すれば、同条に基づき資料提出等を求めることは、必要最小限に止めるべきであること。 
 
例:製造所等の使用の休止の報告
    製造所等の設置者の氏名又は名称等の変更の報告
    製造所等における災害の発生の報告