通知・通達

消防危第85号 危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令等の施行について

消防危第85号
平成11年9月22日
 
 
 各都道府県消防主管部長 殿
 
 
消防庁危険物規制課長 
 
 
危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令等の施行について
 
 
危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令(平成11年自治省令第31号)、危険物の試験及び性状に関する省令の一部を改正する省令(平成11年自治省令第32号)及び危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件(平成11年自治省告示第203号)が、本日公布され、危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令については公布日から、その他については平成11年10月1日から施行されることとなりました。
今回の改正は、製造所等の位置、構造又は設備の変更の許可及び製造所等の仮使用の承認を同時に申請する場合の様式を新たに定めること、危険物と危険物以外の物品の貯蔵禁止の例外について範囲を拡大すること、危険物の試験及び製造所等の技術上の基準等に使用する計量単位を国際単位系に係る計量単位に改めることをその内容とするものです。
貴職におかれては、下記事項に十分留意の上、その運用に遺憾のないよう配慮されるとともに、貴都道府県内市町村に対してもこの旨周知の上、よろしくご指導願います。
なお、本通達中においては、法令名について次のとおり略称を用いたのでご承知おき願います。
消防法(昭和23年法律第186号)……法
危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)……令
危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令……改正省令
改正省令による改正後の危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)……規則
危険物の試験及び性状に関する省令の一部を改正する省令……改正試験省令
改正試験省令による改正後の危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年自治省令第1号)……試験省令
危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件……改正告示
改正告示による改正後の危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示(昭和49年自治省告示第99号)……告示
 
第1 危険物の規制に関する規則の別記様式に関する事項
法第11条第1項後段の規定による製造所等の位置、構造又は設備の変更の許可及び同条第5項ただし書の製造所等の仮使用の承認を同時に申請しようとする者は、規則第5条第1項及び第5条の2の規定にかかわらず、別記様式第7の2又は第7の3の申請書によって行うことができることとしたこと(規則第5条の3、別記様式第7の2及び別記様式第7の3)。
 
第2 貯蔵所において貯蔵することができる危険物以外の物品の範囲に関する事項
1.屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所において貯蔵することができる危険物以外の物品に関する事項(下線の部分は改正部分)
(1) 従来、第2類の危険物のうち引火性固体と同時に貯蔵することができる危険物以外の物品については、可燃性固体類(令別表第4備考第5号の可燃性固体類をいう。以下同じ。)、可燃性液体類(令別表第4備考第7号の可燃性液体類をいう。以下同じ。)若しくは合成樹脂類(令別表第4備考第8号の合成樹脂類をいう。以下同じ。)又はこれらのいずれかを主成分として含有するもので危険物に該当しない物品とされていたが、今回の改正により、危険物に該当しない固体若しくは液体であって引火点を有するもの又は合成樹脂類(以下「合成樹脂類等」という。)又はこれらのいずれかを主成分として含有するもので危険物に該当しない物品とされたこと(規則第38条の4第1号ロ)。
(2) 従来、第4類の危険物と同時に貯蔵することができる危険物以外の物品については、可燃性固体類、可燃性液体類若しくは合成樹脂類又はこれらのいずれかを主成分として含有するもので危険物に該当しない物品とされていたが、今回の改正により、合成樹脂類等又はこれらのいずれかを主成分として含有するもので危険物に該当しない物品とされたこと(規則第38条の4第1号ハ)。
 
2.屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所又は移動タンク貯蔵所において貯蔵することができる危険物以外の物品に関する事項
従来、第4類の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所又は移動タンク貯蔵所において貯蔵することができる危険物以外の物品については、可燃性固体類、可燃性液体類若しくは合成樹脂類若しくはこれらのいずれか若しくは法別表第4類の項の品名欄に掲げる物品を主成分として含有するもので危険物に該当しない物品又は危険物に該当しない不燃性の物品(貯蔵し、又は取り扱う危険物若しくは危険物以外の物品と危険な反応を起こさないものに限る。)とされていたが、今回の改正により、合成樹脂類等若しくはこれらのいずれか若しくは法別表第4類の項の品名欄に掲げる物品を主成分として含有するもので危険物に該当しない物品又は危険物に該当しない不燃性の物品(貯蔵し、又は取り扱う危険物若しくは危険物以外の物品と危険な反応を起こさないものに限る。)とされたこと(規則第38条の4第2号イ)。
 
3.本改正の趣旨は、非危険物であっても、危険物と類似の危険性を持つ物品については、同時貯蔵を認めるというのが危険物の同時貯蔵の禁止の例外物品を定める基本的な考え方であるところ、引火点を有するが指定可燃物に該当しない物品についても同様の考え方から、第2類又は第4類の危険物との同時貯蔵を認めることとするものである。
したがって、本改正により、例えば、現行の規定では危険物との貯蔵が認められなかった、引火点を有するが燃焼熱量が34キロジュール毎グラム(8,000カロリー毎グラム)未満であるため可燃性固体類に該当しない物品等についても同時貯蔵が認められることとなる。
 
第3 国際単位系に係る計量単位への変更に関する事項等
1.計量法の改正に伴い、取引又は証明に使用される計量単位を国際単位系に係る計量単位に変更するものとされたことを踏まえ、今回の改正により、危険物の試験に係る技術上の基準、製造所等に係る位置、構造及び設備の技術上の基準並びに運搬容器に係る技術上の基準に使用する計量単位を国際単位系に係る計量単位に改めるものとされたこと(試験省令別表第1、第4、第12及び第13)(告示第4条の8第3号、第4条の11第2項第3号から第6号まで若しくは第3項第3号、第4条の13、第4条の14、第4条の15、第4条の16の2第1号、第4条の18第4号、第4条の19第1項又は第2項第1号若しくは第3号、第4条の20第2項第1号、第4条の21、第4条の22の6第1号ハ(1)、第4条の22の11、第4条の33第3号ロ、第4条の34第1項第1号、第2号若しくは第6号、第11条第2号若しくは第4から第6号まで、第12条、第13条第2項第5号若しくは第10号、第14条、第44条第2号イ、第59条、第66条第1号、第68条第1項若しくは第3項、第74条第1項、第78条又は第79条)(告示第68条の3の2第1号ハ若しくは第5号ハ、第68条の3の3第2号若しくは第3号、第68条の5第3項第1号ロ若しくは第4項第1号ロ又は第68条の6の2第3項第1号若しくは第4項第1号若しくは第2号ロ)。
 
2.その他、今回の改正に合わせ、規定の整備が図られたこと。
 
第4 施行期日等
1.施行期日
第1及び第2の改正事項については公布日(改正省令附則)
第3の改正事項については平成11年10月1日(改正試験省令附則及び改正告示附則第1項)
 
2.経過措置
(1) 改正告示の施行の際現に法第11条第1項の規定により許可を受けて設置されている製造所、貯蔵所又は取扱所の構造及び設備で、この改正告示の施行の際現に存するもののうち、告示第4条の8第3号、第4条の11第2項第3号から第6号まで若しくは第3項第3号、第4条の13、第4条の14、第4条の15、第4条の16の2第1号、第4条の18第4号、第4条の19第1項又は第2項第1号若しくは第3号、第4条の20第2項第1号、第4条の21、第4条の22の6第1号ハ(1)、第4条の22の11、第4条の33第3号ロ、第4条の34第1項第1号、第2号若しくは第6号、第11条第2号若しくは第4号から第6号まで、第12条、第13条第2項第5号若しくは第10号、第14条、第44条第2号イ、第59条、第66条第1号、第68条第1項若しくは第3項、第74条第1項、第78条又は第79条に定める技術上の基準に適合しないものの構造及び設備に係る技術上の基準については、これらの規定にかかわらず、なお従前の例によること(改正告示附則第2項)。
(2) 改正告示の施行の際、現に存する運搬容器のうち、告示第68条の3の2第1号ハ若しくは第5号ハ、第68条の3の3第2号若しくは第3号、第68条の5第3項第1号ロ若しくは第4項第1号ロ又は第68条の6の2第3項第1号若しくは第4項第1号若しくは第2号ロに定める技術上の基準に適合しないものの技術上の基準については、これらの規定にかかわらず、なお従前の例によること(改正告示附則第3項)。