消防危第106号 カセットボンベ等の適正な保管の徹底について
消防危第106号
平成11年11月17日
都道府県消防主管部長 殿
消防庁危険物規制課長
カセットボンベ等の適正な保管の徹底について
先般、別紙のとおり、大阪府において液化石油ガスを使用するキャンプ用携帯コンロのカセットボンベを大量に保管している倉庫で火災が発生しました。この火災により、保管していたカセットボンベが相次いで爆発炎上し当該倉庫約7,000?Fが全焼するとともに、倉庫周囲にカセットボンベが火を噴きながら飛散するなどしたため、隣接の建物約1,500?Fが半焼するなど計11棟が類焼し、消防隊員2名が負傷する事態となりました。
この種の火災の危険性については、既に「エアゾール製品等の適正な保管について」(平成11年6月28日付け消防危第61号。以下「61号通知」という。)において通知したところであり、同種災害の再発を防止するため、エアゾール製品やカセットボンベが大量に保管されているおそれのある倉庫等の実態把握と関係者に対する消防法令に基づく適正な保管についての指導の徹底をお願いしていたところです。
しかしながら、今回の火災においても、本年6月に埼玉県下で発生した火災の場合と同様、当該倉庫に消防法第9条の2に規定する量を大幅に超えるカセットボンベが保管されていたにもかかわらず消防機関に届出がなされておらず、消防機関は当該倉庫に保管される物品等の実態を詳細に把握していませんでした。
今回の火災に鑑み、エアゾール製品やカセットボンベが大量に保管されているおそれのある倉庫等においてこのような事態が再び発生することのないよう、立入検査を実施するなどして改めて実態把握の徹底を図るとともに、関係者に対し、61号通知の内容について周知徹底し、火災の発生防止並びに消防法令遵守の徹底を指導するようお願いします。
ついては、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨早急に周知されるようにお願いします。
なお、社団法人日本エアゾール協会、社団法人日本倉庫協会、社団法人日本ガス石油機器工業会、日本LPガス団体協議会及び社団法人全日本トラック協会あて再度別添のとおり通知しているので、念のため申し添えます。
別紙
カセットボンベ等を大量に保管する倉庫で発生した火災について(概要)
1 発生日時等
(1) 出火日時 平成11年10月4日(月)1時53分頃
(2) 出火場所 大阪府摂津市鶴野三丁目5番14号
日本トランスシティ株式会社大阪支店北大阪営業所
(3) 鎮圧時刻 平成11年10月4日(月) 6時00分
(4) 鎮火時刻 平成11年10月4日(月)17時05分
(5) 被害状況 火元 倉庫 延べ面積6,950?F焼損(全焼)
その他11棟に延焼(半焼、部分焼及びぼや)
(6) 人的被害 負傷者 消防職員2人(軽症)
2 建物概要 (火元建物)
(1) 建物構造等
構造 準耐火建築物 (2/0)建
建築面積 5,973?F、延面積 6,950?F
(2) 消防用設備の設置状況
屋外消火栓、自動火災報知設備、消火器、誘導灯、非常警報設備
(3) 倉庫内の主な保管物
ア キャンプ用携帯コンロのカートリッジボンベ(液化石油ガス) ・・・数量約159,068本 (貯蔵重量51,426.38kg)
イ その他・・・・衣類、合成樹脂類(アクリル樹脂板)等
3 火災概要
キャンプ用携帯コンロのカートリッジボンベや衣類・合成樹脂類等を大量に保管する倉庫において放火により火災が発生した。この火災により、保管していたカートリッジボンベが相次いで爆発炎上し倉庫建物が全焼するとともに、倉庫周囲約80mにカートリッジボンベが火を噴きながら飛散するなどしたため、隣接する建物も半焼するなど、計11棟が類焼する事態となった。
4 出火原因
放火
5 消防隊の活動状況
摂津市消防本部及び消防団並びに近隣地区の消防本部が以下のとおり出場し、消火活動にあたった。
(1) 摂津市消防本部 16車両
(2) 大阪市消防局 16車両
(3) 高槻市消防本部 4車両
(4) 茨木市消防本部 4車両
(5) 吹田市消防本部 3車両
(6) 守口市門真市消防組合消防本部 2車両
(7) 枚方寝屋川消防組合消防本部 1車両
(8) 摂津市消防団 21車両
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