通知・通達

消防危第60号 危険物の規制に関する政令等の一部改正について

消防危第 60 号
平成12年6月9日
                          
 
各都道府県知事  殿
 
 
消 防 庁 次 長
 
 
危険物の規制に関する政令等の一部改正について
 
 
 建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成12年政令第211号)により、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)及び危険物の規制に関する政令等の一部を改正する政令(昭和63年政令第358号)の一部改正が行われ(平成12年4月26日公布)、また、危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令(平成12年自治省令第35号)及び危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示の一部を改正する件(平成12年自治省告示第129号)が平成12年5月31日に公布され、いずれも平成12年6月1日から施行されることとなりました。
 今回の改正は、建築基準法(以下「建基法」という。)及び建築基準法施行令(以下「建基令」という。)の改正により、危険物の規制に関する政令等で建基法又は建基令より引用している用語について、定義等が改正されたことに伴い、所要の改正を行ったものです。
 貴職におかれては、下記事項に留意の上、その運用に十分配慮されるとともに、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いします。
 なお、本通知中においては、法令名について次のとおり略称を用いたのでご承知おき願います。
 危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号)……危政令
 危険物の規制に関する政令等の一部を改正する政令(昭和63年政令第358号)… …63年改正政令
 危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)……危規則
 危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示(昭和49年自治省告示第  99号)……危告示
 
第1 危政令及び63年改正政令の改正に関する事項
 1 防火設備及び特定防火設備
    建基法及び建基令の改正において、性能規定化を図ることとされた結果、「甲種防火戸」及び「乙種防火戸」が削除され、新たに、
・防火設備:防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備であって、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後二十分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、建設大臣が定めた構造方法を用いるもの又は建設大臣の認定を受けたもの
・特定防火設備:防火戸、ドレンチャーその他火炎を遮る設備であって、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、建設大臣が定めた構造方法を用いるもの又は建設大臣の認定を受けたもの
と規定された。
    なお、従来の甲種防火戸は特定防火設備に包含され、甲種防火戸及び乙種防火戸は防火設備に包含されることとなる。
    しかし、危険物施設においては、防火設備及び特定防火設備について、全てのものを認めることは適当ではないため、防火戸その他の自治省令で定めるもののみを規定することとした。
    以上を受け、危政令及び63年改正政令において甲種防火戸又は乙種防火戸と規定していた部分について、防火設備又は特定防火設備の概念を用いて規定した。
    この結果、危政令においては、「甲種防火戸又は乙種防火戸」又は「乙種防火戸」と規定していた部分については「防火設備(建築基準法第2条第9号の二ロに規定する防火設備のうち、防火戸その他の自治省令で定めるものをいう。)」と、「甲種防火戸」と規定していた部分については「特定防火設備(建築基準法施行令第112条第1項に規定する特定防火設備のうち、防火戸その他の自治省令で定めるものをいう。)」と改めた。(危政令第9条第1項第7号等)
    また、63年改正政令においては、「甲種防火戸又は乙種防火戸」と規定していた部分については「防火設備(建築基準法施行令の一部を改正する政令(平成12年政令第211号)による改正後の危険物の規制に関する政令第9条第1項第7号に規定する防火設備をいう。)」と改めた。(63年改正政令附則第2条第1項第3号等)
 
2 準耐火構造
    改正前の危政令第18条第1項第3号(第一種販売取扱所の基準)においては、「建築物の第一種販売取扱所の用に供する部分は、壁を耐火構造とするか又は不燃材料で造り、その両面を防火構造とすること。」と規定されていたが、改正後の建築基準法において、防火構造の防火性能は「建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼を抑制するために当該外壁又は軒裏に必要とされる性能」とされたことから、「両面を防火構造とする」ことはあり得ないこととなった。
    改正前の建築基準法令により「壁の両面を防火構造」とすることと、改正後の建築基準法令により「壁を準耐火構造」とすることとは同程度の耐火性能であること、また、改正後の建基令においては、準耐火構造は耐火構造も含むものと整理されたことから、「壁を耐火構造とするか又は不燃材料で造り、その両面を防火構造とすること。」と規定していた部分を「壁を準耐火構造(建築基準法第2条第7号の2の準耐火構造をいい、耐火構造以外のものにあつては、不燃材料で造られたものに限る。)とすること。」と改めた。(危政令第18条第1項第3号)
 
第2 危規則の改正に関する事項
 1 改正後の危政令第9条第1項第7号の委任を受け、自治省令で定める防火設備及び特定防火設備として現在のところ、防火戸のみを規定した。(危規則第13条の2)
 
 2 「甲種防火戸又は乙種防火戸」又は「乙種防火戸」と規定していた部分については「防火設備(令第9条第1項第7号に規定する防火設備をいう。)」と、「甲種防火戸」と規定していた部分については「特定防火設備(令第9条第1項第7号に規定する特定防火設備をいう。)」と改めた。(危規則第16条の2等)
 
第3 危告示の改正に関する事項
  「甲種防火戸又は乙種防火戸」と規定していた部分について「防火設備(令第9条第 1項第7号に規定する防火設備をいう。)」と改めた。(危告示第61条第2号)
 
第4 施行期日
 平成12年6月1日(建基令の一部改正政令の施行日)