通知・通達

消防予第227号 消防危第81号 消防法の一部を改正する法律の公布について

消防予第227号
消防危第 81 号
平成13年7月4日
 
 
 各都道府県知事  殿
 
 
消防庁長官      
 
 
消防法の一部を改正する法律の公布について
 
 
 第151回国会で成立した消防法の一部を改正する法律は、平成13年7月4日法律第98号をもって公布されました。
 今般の消防法(以下「法」という。)の一部改正は、火を使用する設備・器具等の規制内容について、市場アクセスの一層の改善を図る必要があることから、その規制内容についての基準を設定するための改正を行うほか、平成12年6月に群馬県で発生した化学工場の爆発火災事故を踏まえ、危険物の品名を追加するとともに、「規制緩和推進3か年計画」(再改定)(平成12年3月31日閣議決定)を踏まえ、引火性液体の性状を有する危険物の引火点の上限を定めることを内容とするものです。
 貴職におかれましては、下記事項に留意の上、その運用に十分配慮されるとともに、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いします。
 
 
第1 火を使用する設備・器具等に関する事項
 火を使用する設備等の位置、構造及び管理、火を使用する器具等の取扱いその他火の使用に係る火災の予防のために必要な事項を条例で定める際の基準を政令で定めること(法第9条)。
 なお、政令で定める基準は、原則として、火災予防条例(例)の規制内容と同等の水準となるものを定め、特に消費熱量の大きい火を使用する設備等の設置に係る離隔距離については、現在の市町村条例の実際の運用の考え方に基づき、その規制内容の明確化を図ることを予定しており、11月を目途に改正する予定であること。これに伴い、各市町村においては、条例の改正を行うこととなるので留意されたいこと。
 
第2 危険物の範囲に関する事項
1.法別表第5類の項の品名欄に掲げる物品としてヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩類(以下「ヒドロキシルアミン等」という。)を追加したこと(法別表)。
  なお、ヒドロキシルアミン等を貯蔵し、又は取り扱う製造所等の位置、構造及び設備の技術上の基準について、基準を超える特例(保安距離の確保及び塀又は土盛りの設置(第一種自己反応性物質の性状を有するものに限る。)並びに温度の上昇、濃度の上昇及び鉄イオン等の混入による危険な反応の防止措置を予定。)を設けるため、9月を目途に省令を改正する予定であること。
2.法別表第4類の項第6号及び第7号の物品の引火点の範囲を250度未満としたこと(法別表備考第16号及び17号)。
  なお、今般の改正により危険物から除外されるものを指定可燃物とするため、9月を目途に政令を改正する予定であり、これに伴い、各市町村においては、条例の改正を行うこととなるので留意されたいこと。
 
第3 施行期日等
1.法別表第5類の項に関する事項は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から、同表第4類の項に関する事項については、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「一部施行日」という。)から、火を使用する設備・器具等に関する事項は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとされたこと(附則第1条)。
2.経過措置
(1) 改正前の法の規定によりなされていた許可その他の処分又は許可の申請、届出その他の手続は、原則として、改正後の法においても、そのまま有効なものとして取り扱われることとされたこと(附則第2条)。
(2) 従来製造所等でなかったもので新たに製造所等として許可を受けなければならなくなるものについては、施行日から6月以内に許可を受ければよいこととされたこと(附則第3条)。
(3) 既存の製造所等のうち、当該施設が適合すべきとされる位置、構造及び設備の技術上の基準に適合しなくなるものについては、施行日から起算して6月以内に変更許可を受ければよいこととされ(附則第3条)、許可を受けるまでの間は、当該施設に適用される位置、構造及び設備の技術上の基準は従前の例によるものとされたこと(附則第4条)。
(4) 既存の製造所等のうち、製造所等として許可を受けることを要しなくなるものについては、当該施設の許可の効力は一部施行日に失われることとなるが、当該施設の所有者等は一部施行日から3月以内にその旨を市町村長等に届け出なければならないこととされたこと(附則第5条第1項)。
  ただし、当該施設の所有者等において、引き続き指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱おうとする場合には、一部施行日から3月以内にその旨を市町村長等に届け出ることにより、当該施設の許可の効力を存続させることができることとされたこと(附則第5条第2項及び第3項)。
(5) 既存の製造所等のうち、当該施設において貯蔵し、又は取り扱う危険物の指定数量の倍数が増加するものについては、当該施設の所有者等は、施行日から3月以内にその旨を市町村長等に届け出なければならないこととされたこと(附則第6条)。
(6) この改正法の施行前にした行為及び附則第4条の規定により従前の例によることとされる場合におけるこの改正法の施行後にした行為に対する罰則の適用については、従前の例によることとされたこと(附則第7条)。
(7) 製造所等に適用される具体的な位置、構造及び設備の技術上の基準の適用についての必要な経過措置は、政令で定めることとされたこと(附則第8条)。
  なお、この経過措置(昭和63年政令第358号によるものに準ずるものを予定。)を定めるため、9月を目途に政令を改正する予定であること。