通知・通達

消防予第595号 複合用途防火対象物等における自動火災報知設備の取扱いについて

消防予第595号
平成14年12月17日


各都道府県消防主管部長 殿

消防庁予防課長


複合用途防火対象物等における自動火災報知設備の取扱いについて


 平成14年8月2日に公布された「消防法施行令の一部を改正する政令」(平成14年政令第274号)により、消防法施行令(以下「令」という。)別表第一(16)項イに掲げる防火対象物に係る自動火災報知設備の設置対象範囲が、延べ面積が500平方メートル以上で、かつ、令別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は (9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分の床面積の合計が300平方メートル以上のものから、延べ面積が300平方メートル以上のものに拡大されるとともに、令別表第一(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が避難階以外の階(1階及び2階を除くものとし、総務省令で定める避難上有効な開口部を有しない壁で区画されている部分が存する場合にあっては、その区画された部分とする。以下記第1において「避難階以外の階」という。)に存する防火対象物で、当該避難階以外の階から避難階又は地上に直通する階段が2(当該階段が屋外に設けられている場合等にあっては、1)以上設けられていないものも、新たに自動火災報知設備を設置しなければならない防火対象物として追加されました。
 本改正に伴い、自動火災報知設備の設置対象となる防火対象物であって、平成15年10月1日以降に新築される防火対象物等にあっては竣工までに、平成15年10月1日において現に存する防火対象物又は現に新築、増築、改築、移転、修繕若しくは模様替えの工事中の防火対象物にあっては平成17年10月1日までに、それぞれ自動火災報知設備を設置する必要があります。
 今般、本改正に伴い自動火災報知設備を設置しなければならない防火対象物であっても、防火対象物の位置、構造及び設備の状況等から判断して、火災の発生及び延焼のおそれが著しく少なく、かつ、火災等の災害による被害を最少限度に止めることができると認められるものとして、自動火災報知設備を設置しなくともよいと考えられる防火対象物について、下記のとおりとりまとめましたので、令第32条を適用する場合の参考としてください。
 なお、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いします。





第1  特例基準の適用範囲
 令第21条第1項第3号に掲げる防火対象物のうち、令別表第一(16)項イに掲げる防火対象物で、次の(1)及び(2)に掲げる条件に該当する場合にあっては、既存、新築の別を問わず、令第32条の規定を適用し、自動火災報知設備を設置しないことができるものであること。
 
(1)  防火対象物の延べ面積は、500平方メートル未満であること。
(2)  令別表第一(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途(以下「特定用途」という。)に供される部分が、次のアからウに掲げる条件のすべてに適合すること。
 特定用途に供される部分の存する階は、避難階であり、かつ、無窓階以外の階であること。
 特定用途に供される部分の床面積の合計は、150平方メートル未満であること。 
 すべての特定用途に供される部分から主要な避難口に容易に避難できること。 
 令第21条第1項第6号の2に掲げる防火対象物のうち、避難階以外の階の部分のすべてが次の(1)から(3)に掲げる条件のいずれかに該当する場合は、既存、新築の別を問わず、令第32条の規定を適用し、自動火災報知設備を設置しないことができるものであること。
 
(1)  居室以外の部分(機械室、倉庫等)であって、不特定多数の者の出入りがないもの。
(2)  実態上の用途が特定用途以外の用途に供される部分であって、「令別表第一に掲げる防火対象物の取扱いについて」(昭和50年消防予第41号及び消防安第41号。以下「41号通知」という。)1(2)により、主たる用途に供される部分の従属的な部分を構成すると認められる部分とされたため、当該部分が特定用途に供される部分として取り扱われているもの。
(3)  一般住宅の用途に供される部分であって、41号通知2(2)により、防火対象物全体が単独の特定用途に供される防火対象物として取り扱われることとされたため、当該一般住宅の用途に供される部分が特定用途に供される部分として取り扱われているもの。
第2  住宅防火対策等に係る配慮
  令第32条の規定を適用して自動火災報知設備を設置しないこととされた防火対象物であっても、一般住宅等の就寝の用に供される部分を有するものにあっては、火災の早期発見という観点から、当該部分に住戸用自動火災報知設備又は住宅用火災警報器等を設置することが望ましいこと。なお、住宅用火災警報器を設置する場合は、寝室、台所、階段室等に設置するよう配慮されたい。