通知・通達

消防予第8号 避難器具に係る技術上の基準の改正に伴う消防法令の運用について

 消防予第8号
平成15年1月8日



 各都道府県消防主管部長 殿

消防庁予防課長

避難器具に係る技術上の基準の改正に伴う消防法令の運用について




 消防法施行令の一部を改正する政令(平成14年政令第274号)の施行については、「消防法施行令の一部を改正する政令等の施行について」(平成14年8月2日消防予第227号及び消防安第35号)により通知したところですが、同政令による改正後の消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)に基づく避難器具に関する事項の運用に際しては、下記事項に留意の上、その適正を期されるようお願いします。
 なお、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いします。


第1 避難器具に関する事項
 避難器具の設置に関する基本的な考え方
 令第25条第1項第5号の規定については、従来から直通階段が二以上設けられていない部分がある階に避難器具を設置することを目的としたものであったが、平成13年9月1日に発生した新宿区歌舞伎町ビル火災の教訓を踏まえ、その規定の趣旨を明確にしたものであること。
 地上に直通する階段の個数の算出について
 令第25条第1項第5号に規定する地上に直通する階段の個数の算出については、消防法施行規則の一部を改正する省令(平成14年総務省令第105号)による改正後の消防法施行規則(以下「規則」という。)第4条の2の2に規定する避難上有効な開口部を有しない壁で区画された部分(以下「区画された部分」という。)ごとに、地上に直通する階段の個数を算出するものであること。
 収容人員の算定について
 令第25条第1項第5号に規定する収容人員の算定については、階全体で収容人員を算定するものであること。
 避難器具の設置個数の算定について
(1)  令第25条第2項第1号に規定する避難器具の設置個数の算定については、階全体の収容人員で判断するものであり、当該区画された部分ごとに収容人員を算定するものではないこと。
(2)  区画された部分を有する階において、収容人員の算定の結果、避難器具の設置個数が一である場合等避難器具の設置個数よりも区画された部分の数が多い場合は、当該区画された部分のいずれかに避難器具が設置されていればよいものであるが、規定の趣旨からも、できる限り当該区画された部分ごとに均等に避難器具を設置することが望ましいものであること。
 区画された部分の取扱いについて
 区画された部分の具体例は、別添1によるものであること。
 その他
 避難器具及び自動火災報知設備に係る技術上の基準については、「小規模雑居ビルの防火安全対策に関する答申」(平成13年12月26日付け消防審議会)を踏まえ、規則の一部改正等を予定していることを念のため申し添える。

別添1 区画された部分の取扱いについて

1 区画された部分の直通階段が1の場合の具体例

区画された部分の直通階段が1の場合の具体例


※ 階が2つに区画され、それぞれの区画された部分に直通階段が1のみ。

 

2 区画された部分の直通階段が2の場合の具体例

区画された部分の直通階段が2の場合の具体例

※ 避難上有効な開口部があるため階が2つに区画されておらず、2の直通階段が使用可能。

(凡例)  避難上有効な開口部を有しない壁